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実例から知る!ZOZOのAIプロダクトマネージャーの仕事

はじめに

こんにちは!ML・データ部AI R&D推進ブロックの川田です。
AI R&D推進ブロックは、AIプロダクトの企画とその推進を行うことでZOZOのサービス価値を向上させることをミッションとするチームです。

先日は、ZHDグループのAI人材育成コミュニティー「ZAIアカデミア」について記事を公開しました。

そんなAI R&D推進ブロックの社内での職種名は「AIプロダクトマネージャー(PdM)」。ZOZOの「AIプロダクトマネージャー」とはどんな役割で、どういった仕事をしているのかご紹介します!


AIプロダクトマネージャーのジョブ定義と役割

ジョブ定義

ZOZOにおけるAIプロダクトマネージャーのジョブ定義は、AIに関する知識を有し、AIを活用してプロダクトの価値を向上させる企画とその推進を行うことです。
少し分解すると、以下のようなことを行います。

  • プロダクトの中長期の戦略立案、ビジョンの構築を行う

  • 業務課題から実現難易度やビジネスインパクトを考慮したAI企画を立案する

  • Accuracy,Precision,Recall などの指標を使って適切にAIを評価する

  • データエンジニア、MLエンジニアと協業し、デザイナー、他職種・外部企業とも連携を行いながら、プロダクトを成功に導く

  • 自分が学んだ知識、経験を社内外に発信する


実際の業務内容

私が2021年に中途入社してからAIプロダクトマネージャーとして担当した仕事を少しご紹介します。

画像検索機能の改善


画像検索機能とは、閲覧しているアイテム画像と色や形が似た画像のアイテムを検索することができる機能です。
ZOZOTOWNのアイテム詳細画面で利用できる画像検索機能の効果をより高めるための、情報整理と改善の進行を行いました。
実際に行ったことと連携した部署関係者は以下です。

  • 情報整理

画像検索機能を評価するための指標の定義改善とダッシュボード化を実施。
実際に行ったことは、指標の定義改善案検討、データ抽出・集計、ダッシュボード化、全体進行管理です指標の定義改善案検討です。

現在の画像検索機能は全てのカテゴリに対応していません。
対応カテゴリを増やすという改善施策の進行を行いました。
実際に行ったこと(行う予定のタスク)は以下です。

  • 施策によるリターンの試算

  • 開発部署連携用の資料作成と進行

  • 施策実施後の効果測定と報告(予定)

連携した部署関係者

  • データサイエンティスト

  • MLOps

  • ZOZOTOWN開発部門


マーケティングへのAI活用のPoC進行


新規購入者獲得を目的として、ZOZOTOWN上にフローティングバナーを表示する未購入者と表示しない未購入者で購入率の差異を確認するA/Bテストを実施しました。
対象ユーザー抽出のためにAIを活用。過去の行動データなどをもとに、購入するかどうかをユーザーごとにスコアをつけ、どのスコア層にバナーを表示することでアップリフト率が高いかをテストしました。
こちらは少し特殊な事例なのですが、システム化前のPoCという位置付けのため、スピーディーに実施するためにノーコードツールでモデル作成を行いました。ZOZOではフルスクラッチの開発だけではなく、ドメイン知識が強いメンバーで素早く仮説検証を実施できる風土があります。
実際に行ったことと連携した部門は以下の通りです。

<ABテスト実施前>

  • 企画立案・PJ管理 

    • 課題感の把握

    • 課題解決に最適なAI企画

    • スケジュール調整

  • AIモデル構築

    • 説明変数の定義

    • SQLで学習用のデータ抽出

    • ノーコードツールでモデル作成

  • ABテスト設計、配信準備

    • A/Bテスト実施のための配信バケット検討

    • SQLで対象者抽出して配信リスト用テーブルに格納


<ABテスト実施後>

  • 効果測定(SQLを使ってのデータ集計)

  • 取り組み内容、検証結果の資料作成

  • 担当ビジネス部門への報告


<連携した部門>

  • ビジネス部門

  • マーケティング部門

上記に加えて、A/Bテスト全体の進捗管理(他部署の担うタスクの管理)なども役割の一つでした。
KPI達成のためにどうAI活用して成果を出すかを企画し、プロジェクト化して推進していきました。


難しさとやりがい

難しさ

特に難しいと感じることは、AIの精度評価です。適切に精度を評価しないと、AIを活用した機能がユーザーに提供する価値を低下させてしまいます。
AIは推論対象に対して0~1でスコアを付与します。例えば、0.5以上のスコアがついたアイテムを画像検索結果の類似商品としてZOZOTOWN上に表示するとします。AIの精度評価が低く適切なスコアを付与できていない場合、本来は適切でない商品が類似商品として表示されてしまう可能性があります。
適切に精度評価するために、定性評価(人の目を介した評価)などを実施するのですが、その結果の解釈は難易度が高く、知識や経験が問われる業務で
す。

やりがい

上記のような難しさもありながら、AIを駆使して、サービスや運営上の課題を改善した結果がデータや数値などで目に見えたときにはやりがいを感じます!ビジネスの観点も持ち、AIというテクノロジーを活用して、ZOZOTOWNやWEARをご利用いただくお客様にとってより良い体験を提供できることは、AIプロダクトマネージャーの醍醐味だと思います。


最後に

最後に、ZOZOのAI R&D推進ブロックについて少し紹介させていただきます。
「はじめに」でも少し書かせていただきましたが、ZOZOのAI R&D推進ブロックはAIプロダクトの企画とその推進を行うことでZOZOのサービス価値を向上させることをミッションとしています。
メンバーは文系出身者が多く、ZOZOに入社してからAIに関わったメンバーばかりです。私自身、ZOZOに入社するまでAIに関わったことがないAI未経験で入社し、現在は複数のAIプロジェクトのPMを担当しています。
同じくAI未経験だった私の上司は、東京大学や九州大学でAI活用に関する講義をするなど、「Z文系AI塾」以外でもAI活用人材の育成にまで携わっています。
文系・AI未経験からでもAI活用人材を目指せる環境がAI R&Dブロックの魅力です!

今年度以降も、ZOZOのAI活用を推進するとともに、AI活用人材の育成を進めていきます!


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