【ZOZOTOWN】SEO担当者が「カテゴリー」を見直したお話し
はじめまして、サービスグロースチームの大久保です。
SEOやデータ解析によりZOZOTOWNやWEARといったサービスを成長させることがミッションのチームで、ZOZOTOWNのSEOを担当しています。
どんな仕事をしていて、どんな想いでZOZOTOWNを作っているかを、この記事を通して少しでもお伝えできたら嬉しいです。
私の記憶ではZOZOTOWONのSEO担当が社外に向けて公に発信したことはないと思うので、どんな仕事をしているか具体的にお話しすることは初の試みになるかなーと思っています。(なのでとってもドキドキして書いています!)
それでは早速!
2020年11月にリリースしたZOZOTOWNのカテゴリーとこだわり条件を見直した話について書きたいと思います。
■カテゴリー、こだわり条件ってなに?
まずはちょろっとZOZOTOWNのカテゴリーとこだわり条件についてお話しします。
ZOZOTOWNには「トップス」や「パンツ」、「スカート」など洋服や物の種類をまとめているカテゴリーというものがあります。
ZOZOTOWNのカテゴリー一覧
洋服を探すときに、「寒くなってきたしアウターが欲しいなぁ…」「雨が多くなってきたからレインシューズが欲しいなぁ…」など、欲しいアイテムがイメージできている場合は、カテゴリー検索を使用する方も多いのではないでしょうか?
ただ、カテゴリーから商品を探すとなると商品数が多く、自分の欲しいアイテムを見つけられるかな?…と不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
そんな時に便利なのが「こだわり条件」という機能です。この機能では、トップスやパンツといった各カテゴリーに加えて素材や柄、丈などの洋服の特徴からより詳細に検索条件を絞り込むことができます。
例えばボーダー柄で着丈の短いトップスが欲しい!というイメージがあった場合、
・カテゴリー:トップス
・柄・デザイン:ボーダー柄
・着丈:ショート丈
といった条件で絞り込むとイメージに近い商品に絞ることができます。(商品数がグッと減って探しやすい!)
各カテゴリーにこだわり条件を用意しているので色々なカテゴリーを見てみてくださいね!
※一部こだわり条件検索に対応していないカテゴリーもあります。
■なんで見直すの?
時代やファッショントレンドの変化に伴いお客様のニーズも変わっていくため、それに合わせてカテゴリーやこだわり条件も変える必要があると考えています。
例えば今回の見直しでパンツカテゴリーに新たに「スウェットパンツ」が追加されました。
部屋着としての用途が多かった「スウェットパンツ」ですが、ここ数年はオシャレファッションアイテムとしての活躍が目立っています。
その状況を見て「カテゴリーにあったほうが商品を探しやすいよね!」ということで、今回の見直しでカテゴリーとして追加されました。
見直しの頻度、タイミングは明確には決まっておらず、ファッショントレンドやZOZOTOWNの成長にあわせて適切なタイミングで見直しを行います。今回はZOZOTOWNの今後の方針「カテゴリー強化」の一環として行われました。
ここからは今回のカテゴリー、こだわり条件の見直し方法について具体的に説明します!ポイントとなる作業や力を入れた作業などを、私の体験を交えつつご紹介していきます。
■要件洗い出し
まずは最初の難関である、要件を洗い出す作業です。
・今あるカテゴリーのままでいいか
・追加したほうがいいカテゴリーがあるか
・使われていない、不要なカテゴリーはないか
といったことを考えていきます。
膨大な数のカテゴリーの種類×こだわり条件の種類を見直すため、とても時間のかかる作業です。
全部を毎回見直す必要はありませんが、今あるカテゴリーやだわり条件が本当に必要なものなのか、何か手を加える必要があるのかなどを全体的に確認します。
その中でも先に書いたようにトレンドや商品の在庫量を考慮し、カテゴリーやこだわり条件を追加・削除といった感じで進めていきます。
洗い出しの過程で私が特に気を付けていることがあります。
それは
①「ユーザー目線で考える」
②「客観的データから考える」
ということです。
①「ユーザー目線で考える」
言葉の通りですが、「ユーザー目線で考える」とはサイトを利用してくださるお客様の立場になって考えることです。(すごく当たり前のことですが…)
私が必要と思ったものでもお客様が必要とは限らないし、その逆もあるんだぞということを常に意識して洗い出しを行っています。
なぜ追加する必要があると思うのか、削除する必要があると思うのか、自分の考えをちゃんと説明できるよう気を付けています。
でもこれがなかなか難しい。
気を付けていても、作業をしているうちに「便利だから絶対追加したいー!」とこだわりが爆発することも。(笑)
私自身がZOZOTOWNヘビーユーザーであり、ZOZOTOWN好きユーザーでもあるので、ユーザー目線で「これが追加されると便利かも!」などの想いを提案することも多々あります。
(ちなみに今回の見直しで新たに追加された、シューズカテゴリ>こだわり条件「履き口」>「面ファスナー」、「ジップアップ」などは私が提案したものです!)
②客観的データから考える
もう一つの「客観的データから考える」とはGoogle Analyticsのアクセスログや検索ボリュームなどなどを参考にお客様の必要としているものを考え、何を検索しているのか、需要があるのかをデータから判断することです。
お客様に直にお会いすることはできませんが、色々なデータからお客様のニーズを読み取り、サイトに反映していきたいと考えています。
このように「ユーザー目線で考える」「客観的データから考える」の2点を大切にしつつ、一人黙々と要件洗い出しの作業を進めています。
■要件決め、詰め作業
要件洗い出しが完了したら、複数部署と内容を調整していきます。
この作業は部署をまたいで進めていくのでそれぞれの想いが交錯する場でもあります。
当たり前ですが部署が違うと理想としているところが少し変わってきたりするので、カテゴリー要件として入れたいものも部署によって変わってきます。
意見が対立…というほどではありませんが、お互い悩ましい状況が発生することもあります。
「ZOZOTOWNを良くしたい!」という想いは同じなので良い方向に進むよう、私は2つのことを心掛けています。
①他部署の考えをヒアリングし、理解する
②代替案をできる限り提案する
①他部署の考えをヒアリングし、理解する
カテゴリーを追加したい!名称変更したい!削除したい!等、要望は色々ありますが、それにはどういった背景があるのかをヒアリングします。
そうすることでデータ管理の観点や、要件決めのルールにより不採用となるものも、別の形で採用することができる場合があるからです!
逆に、私たちが悩んでいることを相談し、助けてもらうことも多くあります。
例えば、こだわり条件を追加するときの最適な名称を一緒に考えてもらったりと、部署間で協力し合いながらプロジェクトを進めています。助かります!
お互いの考えや背景を聞いてみると納得できることも多かったりするので、それぞれの得意なところで悩みをカバーしあえたらカッコイイですよね!
②代替案をできる限り提案する
提案の多くは「あぁ~わかる、あったら便利だよね~!」というものも多く、私自身もいいね!と思えるものがとても多いです。
しかし管理上の都合で提案内容を採用することが難しかったり、仕様変更によりお客様を混乱させてしまう可能性があったりもするため、すべての提案内容を叶えることができるわけではありません。
そんな時は頭をフル回転させて、代案を絞りだします!
ヒアリングした考えを別の形でうまく表現できないか、カテゴリーとして無理ならこだわり条件として追加できないか?など、できる限り希望を叶えられるように考えます。
今回の改修でも、カテゴリーやこだわり条件だけではなく他の表現方法で進めることになったものも多くありました。
複数回議論を繰り返し、要件が固まります。ここまで長かった!
そしていよいよリリースに向けた段階に入り、関係各所に要件を共有し各部署がリリースに向けた準備・開発を進めていきます。
私もリリーステストに向けこれから孤独なながーい戦いに突入です…
■リリースに向けたテスト
施策の大きさにも寄りますが、今回はリリースまで約1か月かけてテストの準備をしました。
他の案件との兼ね合いもありますが、リリーステストをとても重要視していることもあり、いつも準備期間が長くなってしまう傾向にあります。
今回の見直しでSEOのテスト項目として挙げている内容は大きく3つ。
①リダイレクト
②meta要素
③ページ内テキスト要素
特に①リダイレクトに関してはかなりこまかーく見ています!
リダイレクト後もお客様が問題なくお買い物ができるよう、リダイレクト後の挙動には目を光らせます!
テスト内容についてざっくり説明すると、テスト用にURLを大量に用意してそのページをスクレイピングし、ステータスコードや各種meta要素をもってきて意図した内容になっているか確認する…という流れです。
テストURLはどんなディレクトリパターンとパラメーターをかけ合わせればいいのかを設計し、構成を考えていきます。
今回のテストではおよそ2万URLくらいスクレイピングを行いました。
これだけの数のURLを確認すると、バグが見つかることもあるのでテストはとても重要です!
「リリース前に見つけておいてよかった~!危なかったよね~~!」なんてことも、実はよくあります。
今回も「んん?これはリリース前に対応必須!!」というレベルのバグが見つかり、慌てて対応しました。
カテゴリーやこだわり条件のリリースは、ZOZOTOWNの検索結果に影響する大事な部分なので、「テスト期間中に設計したテスト項目をすべて終わらせなくては…!」と大きなプレッシャーが掛かり、バグが見つかったりスムーズに進まない時はとにかく毎日ヒヤヒヤしています。その期間は夢でもテストしてました(笑)
退勤後、家事育児をしながら頭の中では翌日のテストの段どりとか考えていたりして(笑)
そんなテスト漬けな日々を1か月過ごし、いよいよリリース当日!
朝起きてからソワソワでしたが、大きな問題もなくリリースが完了しました。(感慨深い…!)
■リリースを終えて
ホッとしているというのが正直なところで、やっと仕事の夢を見ない日々が訪れました。
それと同時に今回のリリースに携わってくださった関係部署に心から感謝しています。
たくさんたくさん助けられました。ありがとうございました。
今回の改修では検索結果の利便性向上はもちろんSEOにもプラスの影響があることを期待し、これからデータを見ていきます。
今後の見直しでも「ZOZOTOWNのカテゴリー探しやすい!」と思ってもらえるようなカテゴリー編成を検討していきたいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後に…
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