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ZOZOの「計測システム部」が拓く、唯一無二のキャリアと開発の舞台裏

ZOZOには、ECの運営を中心とする企業にはあまり存在しない部署があります。「計測システム部」です。同組織を率いる児島弘明とバックエンドエンジニアとして所属する髙橋卓也は、「計測システム部には、ZOZOらしさが詰まっている」と口を揃えます。果たして計測システム部とはどのような組織なのでしょうか。今回はその知られざる組織の実態と開発の舞台裏をご紹介します。

児島 弘明(計測プラットフォーム開発本部 計測システム部 ディレクター / 2013年入社)
2012年、オンラインストアサービス運営会社にバックエンドエンジニアとして入社。WEAR、ZOZOフリマなどの開発に携わる。2013年、同社がスタートトゥデイ(現・ZOZO)の子会社になったのを機に転籍。プライベートブランドの事業を担う部署のディレクターを経て、2021年より現職として計測システム部を率いる。プライベートでは少年野球の指導者として情熱を注いでいる。

髙橋 卓也(計測プラットフォーム開発本部 計測システム部 バックエンドブロック / 2023年入社)
2021年、Web系の事業会社に新卒で入社。主に航空機向けの気象サービスの開発にバックエンドエンジニアとして携わる。2023年にZOZOに入社後、計測システム部に配属され、ZOZOMAT for Kids、ZOZOMETRY、WEAR by ZOZOの「WEARお試しメイク」の実装を担当。現在は主にZOZOMETRYの開発に携わっている。趣味は旅行。人生で未踏の場所に行くことが最近のテーマ。

※本記事は、2025年2月10日の公開日時点に基づいた内容です。

ZOZOSUITを生んだ「計測システム部」のいま

——計測プラットフォーム開発本部 計測システム部の役割と使命を教えてください。

児島:私たち計測システム部は、フロントエンド開発を担当する計測アプリ部やプロジェクトマネジメントを担う計測プロデュース部、計測技術の研究開発を担うZOZO NEW ZEALAND LIMITED(以下、ZOZO NEW ZEALAND)とともに、お客様に適切なサイズの靴や似合う色のベースメイクを購入していただくためのサービスを開発しています。

——計測システム部は、ECの運営を中心とする企業では、あまり存在しない組織ではないかと思います。なぜZOZOにはこうした組織が必要なのでしょうか?

児島:私たちの組織は「購入前に試着ができない」という、ECの課題をテクノロジーで解決するために誕生しました。最初の取り組みは、採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」(以下、旧ZOZOSUIT)とともに立ち上げたプライベートブランド事業でしたが、残念ながら2022年に旧ZOZOSUITのサービスはクローズ。しかし、その後も私たちは技術開発を止めることなく、現在、複数の計測技術やサービスに応用、展開するに至っています。

——たとえばどんな計測技術・サービスがありますか?

児島:足の3D計測用マット「ZOZOMAT」、子どもの足を簡単に3D計測できるマット「ZOZOMAT for Kids」、フェイスカラー計測ツール「ZOZOGLASS」、旧ZOZOSUITと比べてより精緻な身体3Dモデルの生成を実現する、3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT」です。さらに2022年に米国で提供を開始したボディーマネジメントサービス「ZOZOFIT」や、2024年に提供を開始した、事業者の計測業務を効率化し採寸が必要な服の売上拡大・コスト削減に貢献する、事業者向け計測業務効率化サービス「ZOZOMETRY」などがあります。このように、私たち計測システム部は、ZOZOが経営戦略に掲げる「MORE FASHION × FASHION TECH ~ ワクワクできる『似合う』を届ける ~」を踏まえ、ユーザーや事業者の課題解決に取り組んでいるのです。

児島 弘明(写真右)

私たちが計測システム部を選んだワケ

——ところで、おふたりはいつからZOZOで仕事をしているのですか?

児島:以前勤めていた会社のバックエンドエンジニアとして、ZOZOが運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR」の立ち上げに携わっていました。その後、当時の勤め先がZOZOに買収されたことを機にZOZOに転籍し、それ以来、ディレクターとして計測技術を担当しています。

髙橋:新卒で入社した企業で主にバックエンドエンジニアとして開発に携わっていましたが、2023年に中途でZOZOに入社しました。入社してからは、ZOZOMAT for KidsやZOZOMETRY、WEAR by ZOZOにおいてユーザーが登録したフルメイクデータをARで自分の顔に乗せて試すこともできる「WEARお試しメイク」の実装を担当し、現在に至っています。

——ZOZOに入社した理由を教えてください。どんなところが魅力に感じましたか?

髙橋:大学時代にZOZOSUITがローンチされたときのインパクトが心に残っており、自分もいつか社会に影響を与えるようなサービスの立ち上げに携わってみたいと思ったのが入社の動機です。前職で主に開発に携わっていた「気象」と、現在ZOZOで扱う「身体」ではスケールこそ違いますが、集めたデータをサービスに活かし、必要とするお客様に届けるという目的は共通であると思ったので、ZOZOの計測技術で新たな挑戦をしたいと考えました。

児島:先ほど申し上げた通り、入社のきっかけは勤め先の買収でしたが、いまもZOZOで働き続けているのは、新規事業の創出にやりがいを感じるからです。立ち上げから年々順調に成長しているサービスもあれば、志半ばでクローズしてしまったサービスもありますが、ユーザーの課題解決のために知恵を絞るのは楽しいことですし、ユーザーに支持していただいたときの達成感は何ものにも代えがたい喜びなのは間違いありません。だから私はいまもZOZOで働き続けているんです。

壁を越え、関係者全員で立ち上げ、全員で改善する

——計測技術を活かした新サービスはどんなプロセスで生まれるのですか?

児島:経営層やビジネス側からの要請を受けて動き出すこともあれば、技術の進歩に合わせてエンジニアから、経営層やビジネス側に働きかけて動き出すサービスもあり、サービスによってさまざまです。ただ、どうすればユーザーが抱える課題を解決できるかについて関係者全員で考え、導き出した仮説をPoCによって実証するアプローチは変わりません。新規事業を起案するのは特定の職種や組織に限りませんが、それを実践するのはプロジェクトに携わる全員というのが私たちのスタイルです。

髙橋:私たちエンジニアの目線から申し上げると、ZOZOのエンジニアも一般的なエンジニア同様、システムの仕様とアーキテクチャを決め、コードを書くのが主な業務です。とはいえ、ビジネス側からの要望をそのままシステムに落とし込むわけではありません。ユーザーが求めるのはどんな機能か、さらにはこのサービスが世に出た場合にどんな影響が考えうるか、そこまで思いを巡らせ、開発にあたるのがエンジニアの務め。サービスの起案者がだれであれ、関係者と議論を重ねサービスのあるべき姿を追求するのがエンジニアの使命だと思っています。計測システム部は、職種や職能の垣根を越えてサービスを生み出す組織なんです。

——海外の開発拠点であるZOZO NEW ZEALANDについて教えてください。

児島:ZOZO NEW ZEALANDは、かつてZOZOSUITの基礎技術を生み出した研究開発色が強い組織でしたが、いまは国内の計測システム部と同じように、PoCからテクノロジーのサービス実装、さらには改善にも関与しています。ZOZOFITのように海外でのビジネス展開をしている事業は、むしろ彼らがリードしています。機能や職能で守備範囲を分けているわけではないんです。

髙橋:ビジネスとエンジニアの間に垣根がないのと同じように、日本とニュージーランドの間にも垣根はないんです。多少の時差はありますし、ミーティングで英語を使う機会が増えますが、日本の開発メンバーも、大半がリモート勤務なので距離を感じることもほぼないですね。言葉の壁についても同様で、英語が堪能なメンバーが通訳を担ってくれたり、コミュニケーションの齟齬が起きないように工夫をしています。計測システム部はニュージーランドのメンバーを含めワンチームでサービス開発に携わっています。

——開発組織のカルチャーについてはいかがですか?

児島:離れた場所で働くのが当たり前になっているからこそ、お互いに歩み寄る姿勢を大切にしたり、相手の気持ちを汲んだりするなど、丁寧なコミュニケーションを心がける人が多いですね。新規事業という先を見通しづらい仕事に携わっているので、より一層、お互いを思いやる気持ちを大切にしようという意識が育まれるのかもしれません。

髙橋:ビジネスを念頭に置いて開発にあたるカルチャーが根づいている一方で、エンジニア同士の交流が非常に盛んです。バックエンドエンジニアがフロントエンドエンジニアやSREエンジニアとペアプログラミング(※1)やモブプログラミング(※2)に取り組んだり、「ナナメ1on1」といって、別の開発チームのマネージャーやエンジニアに仕事やキャリアについて相談する機会があったりします。また、毎週、お世話になったメンバーに感謝の気持ちを伝える会があるなど、組織を越えた横のつながりを大切にするカルチャーは計測システム部ならではかもしれません。こうした取り組みが、お互いをリスペクトしつつ自由闊達に意見を言い合える開発カルチャーを生み出しているのだと思います。
(※1)ペアプログラミング:2人1組でペアを組んで開発を進める手法
(※2)モブプログラミング:複数の開発者で開発を進める手法

髙橋 卓也

失敗を恐れず、挑戦し続けることが最大のミッション

——計測技術を用いた新規事業に携わる難しさと面白さを教えてください。

髙橋:新規事業ではどんなプロダクトを作るのかを考えると同時に、ユーザーが何を求めていて、どんな機能が欲しいのかを探らなければならず、最初から完璧なものを作ることはとても難しいことだと考えています。でも、0から事業を立ち上げることに参画し、チームで力を合わせて事業をローンチし、フィードバックを受けてブラッシュアップしていく。このようなプロセスに関われることこそが新規事業に携わる醍醐味だと思います。エンジニアとしては、これらのプロセスに関わることにより自分が書いているコードがこのプロダクトにどのような意味をもたらすかを考えながら、ポジティブな気持ちで開発に向き合えると考えています。新規事業の立ち上げに携わらなければ実感できない魅力のひとつだと思います。

児島:私たちは「立ち上げ屋」と呼ばれることが少なくありませんが、立ち上げた後の継続的な改善が新規事業の成否を左右します。市場ニーズと乖離した部分を是正し、必要とされるサービスに近づけるためにヒアリングや仮説検証を重ねていくことも、私たちにとって大切なミッションです。ビジネスを成功させるための要素をすべて満たすのは容易ではありませんが、その難しさこそが、仕事のやりがいなのだと思います。

——新規開発に失敗はつきものだと思いますが、みなさんは、失敗をどのように捉えますか?

児島:いくら優れた技術であったとしても、うまくいかないときはうまくいかないもの。そんな場面に遭遇したとしても結果をしっかりと受け止めれば、失敗は失敗ではなくなります。ですから私たちは、振り返りから学ぶことをとても大切にしています。私を含め現場で開発にあたっているメンバーの大半は「挑戦しないことこそが一番の失敗」と思っているはずです。

髙橋:失敗は新たな挑戦にはつきものですし、今後挑戦する際に大きく飛躍できる学びを得られるタイミングであると考えています。もちろん、事前に想定できるような問題にはきちんと備えることは大事ですが、私たちは想定外のトラブルや失敗があったとしても前向きに学びに変えられるように開発を進めています。先行きが見えなくても、柔軟に検証と修正を繰り返し、成長に繋げる姿勢を大切にしています。

——最後の質問です。計測システム部で活躍できるのはどんな方ですか?

髙橋:コードを書くだけではなく、ビジネスに関心を持てる方、関係者と力を合わせて、ひとつの目標に向かって走ることにやりがいを見つけられる方ですね。一生懸命努力すればすべて想定通りに事が運ぶ世界ではありませんが、ZOZOには大胆なチャレンジを後押しする社風と、一緒に目標に向かって走ってくれる仲間がいます。こうした環境を活かして世の中にまだない計測技術を届けたいと思う方とぜひご一緒したいと思います。

児島:ひと言でいうと不確実性が高い環境を楽しめる人でしょうね。あらゆる仕事に共通していることですが、新規事業の立ち上げはとくに失敗を含め、あらゆる経験が役立つ仕事です。「これがダメなら、これならどうだろう」と諦めずに前を向いて挑戦し続けられる方、ファッションECのあり方を計測技術で一新したい。そんな目標を共有できる方と一緒に働きたいですね。

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