インフラ刷新でZOZOTOWNを新たなステージへ。ここでしか味わえないSREの魅力とは?
ZOZOTOWNにおける「SRE」の存在意義
——EC基盤開発本部 SRE部とはどんな組織ですか?
三神:ZOZOTOWNのインフラを担当するEC基盤開発本部のなかでSRE部が担うのは、ZOZOTOWNにおける快適なサービスの提供を保証すること。ZOZOTOWNの信頼性を高める取り組みであれば「何でもやる」のが、私たちのスタンスです。
亀井:ユーザーがいつでも快適にお買い物をしていただけるよう、ZOZOTOWNのインフラを健全な状態に保ち、改善し続けるのがSRE部の使命です。一口にSREといっても求められる専門性はさまざま。現在、ZOZOTOWNの年間商品取扱高は5,743億円(※1)にのぼり、たくさんの商品を適切にさばくため、総勢34名ものSREエンジニアが在籍しています。機能ごとに分かれたブロックが専門性を活かしZOZOTOWNの信頼性向上に尽力しています。
(※1)2024年3月末時点
<SRE部 組織図>
——ふたりが率いているブロックの役割についても教えてください。
亀井:SRE部のなかで、サービスの共通基盤となるプラットフォームの信頼性を高めるのが、プラットフォームSREブロックの使命です。可用性やメンテナンス性が高く、スケーラブルなインフラを設計、構築、運用することはもちろん、精緻なテストとチューニングによる信頼性向上から、インシデント対応やZOZOTOWN以外の新規サービスのフォローアップまで、幅広い業務に取り組んでいます。
三神:私がブロック長を務めるフロントSREブロックは、ZOZOTOWNユーザーにもっとも近いフロントエンドの信頼性を高める取り組みをおこなっています。新機能や新たなサービスを立ち上げる際は、SRE部の各ブロックが力を合わせアーキテクチャ検討や技術選定、PoCを実施。さらにサービス開発後は、入念な負荷試験や障害試験を重ねて問題点や懸念を解消した後も運用改善に努めます。
ZOZOTOWNの成長を支えるSRE部の日常
——普段どんな部署や職種の人たちと関わりますか?日々の仕事ぶりについても教えてください。
三神:担当ブロックの性質上、もっとも密なやり取りがあるのは、ZOZOTOWNを開発するフロントエンドエンジニアやデザイナー、バックエンドエンジニアたちです。ZOZOTOWNは用途の異なる多様なマイクロサービスで構成されていることもあり、サービス責任者や営業部門など、様々な立場の人たちとの意見交換をとても大切にしています。ブランドイメージや商品の売れ行きを左右する画像や動画の品質にもこだわるのは、ファッションECならではの特徴といえるかもしれません。
亀井:私たちはZOZOTOWNの運用基盤のSREを担っているので、サービス開発を担当するバックエンドエンジニアや、ほかのSREブロックのメンバーとやり取りする機会が多いのですが、プロダクトマネージャーやデザイナーと議論することも少なくありません。議論のテーマによっては厳しい意見が飛び交うこともあります。でも、部署や職種は違っても、全員ZOZOTOWNへのプロダクト愛を持つメンバーです。そんなメンバーとフランクでありながら真剣なコミュニケーションを取りつつ、ZOZOTOWNのあるべき姿を追求できるのは、この仕事に就いてよかったと思うことのひとつです。
——どんなときに仕事のやりがい、難しさを感じますか?
亀井:知名度が高く大きなサービスの運営に直接影響を与える仕事に携われること、それ自体が私にとってのやりがいです。人気商品の発売日やクリスマス、年末商戦など、アクセスが集中する期間をうまく乗り切れたときの達成感は何物にも代えがたいものがありますね。ZOZOには感謝を伝え合う文化があり、他部署のスタッフや経営陣から褒め言葉をもらう機会が少なくありません。これなども、SREをやっていてよかったと感じる瞬間です。
三神:私たちSREは、インフラを監視したり、定義されたSLO(サービスレベル目標)を遵守したりするだけの存在ではありません。サービスの信頼性という重要なアジェンダにおいて、常に前線で戦っているという自負があります。冒頭に「信頼性担保のためなら何でもやる」とお話しした通り、エラーや障害が起きてしまったときのユーザーへの見え方を含めて、細かい部分にまで気を配るのは大変な面があるのは事実ですが、それだけ大きな使命を背負っていると考えれば、大きなやりがいなのは間違いありません。ZOZOTOWNを支えるのは、私たちにとっての誇りでもあるんです。
亀井:大規模ECゆえの問題に見舞われ、頭を悩ませることもありますが、ユーザーやブランドのみなさんに喜んでいただけるよう、最善を尽くすのが私たちの務め。複雑な難題に立ち向かうことも含め、この使命を果たすことがZOZOのSREの面白さなんだと思います。
三神:受注から納品までがすべてネット上で完結するデジタルコンテンツなどとは違って、在庫に限りがあり、在庫管理や物流といったフィジカルなモノの動きを踏まえた設計や対応が求められるのもZOZOTOWNのSREの面白いところです。ここでしか得られない知見と見識を育めるのもZOZOでSREに携わる魅力だと思います。
インフラリプレイスにかけるSREの意気込み
——現在大きなプロジェクトが進行中と聞いています。どんなプロジェクトでしょうか?
三神:2017年からZOZOTOWNの基盤を刷新するプロジェクトに取り組んでいます。2004年のサービス開始以来、ZOZOTOWNの急成長を支えてくれたシステムも、ユーザーの増加や商品取扱高の増大で、耐用年数の限界を迎えつつありました。2026年を目処に次の20年に向けたスケーラブルで安定性に富んだインフラを実現するため、現在、SRE部は様々な施策に取り組んでいるところです。
亀井:オンプレミス環境からクラウド環境へ、そしてモノリシックアーキテクチャからマイクロサービスアーキテクチャへの移行が主な取り組みになります。ZOZOTOWNがモダンな環境にシフトすることによって開発のスピードが上がれば、既存サービスの成長はもとより、これから生まれるであろう数々の新規事業にもきっといい影響があると期待しています。
——プロジェクトの展望について教えてください。
三神:このプロジェクトにより柔軟性と拡張性に優れたモダンなインフラが整えば、ZOZOMATやZOZOGLASSのような先進的な機能やサービス、コンテンツがいままで以上に提供しやすくなると考えています。
亀井:このプロジェクトが完了した暁には、ユーザーやブランドのみなさんだけでなく、サービス開発を担うフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアの士気も上がるはずです。このプロジェクトはインフラ刷新をきっかけに、ZOZOTOWNを取り巻くすべての人に幸せをもたらすチャレンジでもあるんです。
ZOZOならきっと叶う、SREのこんな未来
——SRE部としての展望を聞かせてください。どんなチームでありたいですか?
三神:インフラの移行が完了すれば、今度は大規模なマイクロサービスアーキテクチャによるインフラ運用という大きなチャレンジが始まります。環境は変わってもSRE部の使命は変わりません。これからも、ZOZOTOWNの信頼性を高めるためならどんなチャレンジも厭わないチームでありたいと思います。
亀井:SRE部が主体となって、ユーザーがワクワクするような施策を積極的に提案していきたいですね。そのためにも新たなテクノロジーやノウハウをどんどん吸収するチームでありたいですし、プロジェクトで得た気づきやノウハウを社会に還元し、これまでインフラ構築技術の発展に貢献した先人たちの恩に報いる組織でありたいと考えています。
——一緒に働きたいエンジニアについて教えてください。どういった経験やマインドが必要ですか?
亀井:技術的にはAWSやKubernetesの知識や経験がある方、オンプレミス環境下でのインフラ構築や運用経験が豊富な方は大歓迎です。ファッションに興味がある方、ZOZOTOWNのユーザーであればさらに嬉しいですが、そうでなくともファッションの大規模ECに携わってみたい方なら仕事にやりがいを感じていただけると思います。
三神:SREを遂行するために必要な技術や経験に加え、物事と真摯に向き合える方、「自ら考え、試し、判断する」という、基本に忠実なエンジニアとご一緒したいですね。SREは小さな積み重ねに裏打ちされた「信頼性」を積み上げて成果を出す仕事です。ZOZOTOWNの信頼性を担保する前に、SRE自身が信頼されなければなりません。地道な取り組みを疎かにせず、周囲を巻き込みながら物事を前に進められる方を歓迎します。
——最後にZOZOのSREに興味をお持ちの読者にメッセージをお願いします。
三神:ZOZOの企業理念は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」です。つまり私たちが価値を手渡す相手は「世界」だということ。ZOZOTOWNを利用してくれているユーザーはもちろん、ZOZOに関わるすべての人たちに「信頼性」というかけがえのない価値を一緒に届けましょう。
亀井:現行のリプレイス作業に片がついても、アーキテクチャや運用の最適化は続きます。インフラ構築や運用経験をお持ちのみなさん、ぜひZOZOTOWNのSREに力を貸してください。カジュアル面談でお会いしましょう。