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因果推論で導いた実効性のある打ち手で事業の成長を後押し。ZOZO データサイエンティストの魅力に迫る

1,100万人もの年間購入者数を抱えるZOZOTOWN。お客様の満足度を上げるために日々サービスの改善に務めるのは事業部門の担当者だけではありません。AI・アナリティクス本部に所属するデータサイエンティストも同じです。事業部門や管理部門と二人三脚で課題解決にあたるZOZOのデータサイエンティストの魅力について、AI・アナリティクス本部ビジネスアナリティクス部に所属する、ふたりのマネジャーに話を聞きました。

能勢 翔(AI・アナリティクス本部 ビジネスアナリティクス部 ディレクター兼 データサイエンスブロック ブロック長 / 2018年中途入社)
社会情報学修士。2013年、電子書籍ストア運営会社に入社。ユーザーデータ分析やBI環境の整備、機械学習システム立ち上げのほか、販促施策企画運用やストア機能企画などに携わる。2018年、ZOZOに入社し、現在はビジネスアナリティクス部のディレクターとして販売データ分析や機械学習モデルの開発プロジェクトに従事。趣味はロードバイク。ZOZO自転車部所属。

茅原 佑介(AI・アナリティクス本部 ビジネスアナリティクス部 マーケティングサイエンスブロック ブロック長 / 2021年中途入社)
大学卒業後、新卒で入社したWeb広告企業で広告運用を担当。その後、分析業務のキャリアを深めるべく、2021年9月にZOZOへ中途入社。現在はTVCMやWeb広告などのマーケティング施策の効果検証などを担当するビジネスアナリティクス部 マーケティングサイエンスブロックでブロック長を務める。趣味は音楽制作。自作曲を各種配信サービスで配信している。

ZOZOの成長を分析力で支えるビジネスアナリティクス部

——AI・アナリティクス本部の役割と組織のなかでの位置づけを教えてください。

 能勢:ひと言でお伝えすると、「データ分析の力で全社の意思決定の打率を上げる組織」です。具体的には、データ分析による事業部門や管理部門が抱える課題の可視化から、解決策の立案、実行後の検証まで、定量化し、課題解決や意志決定の精度を高めるのに必要なサポートを手がけています。

——AI・アナリティクス本部の組織構成は?

能勢:AI・アナリティクス本部の下部組織として、私たちが所属する「ビジネスアナリティクス部」のほかに「事業推進部」と「AI事業戦略部」の三部体制で各方面から寄せられる数多くのデータ分析ニーズに対応しています。

——各部の守備範囲の違いについても教えていただけますか?

能勢:主に短・中期的なビジネス課題の解決に取り組むのがビジネスアナリティクス部の役割であり、事業部と関係性を築きながら二人三脚で、中・長期的な事業課題と向き合うのが事業推進部の役割です。また、生成AIや機械学習の構築を通じて業務効率化を後押しするのがAI事業戦略部の役割になっています。

——能勢さんと茅原さん、それぞれの管掌範囲を教えてください。

能勢:私はビジネスアナリティクス部でディレクターを務める傍ら、機械学習や因果推論を武器に、ありとあらゆるビジネス課題に対応するデータサイエンスブロックのブロック長も兼務しています。

茅原:能勢が率いるデータサイエンスブロックがあらゆるビジネス課題に対処するチームなら、私がブロック長を務めるマーケティングサイエンスブロックは、文字通りマーケティングに特化したチームです。私たちも機械学習と因果推論を武器に課題解決にあたっています。

——ZOZOのデータサイエンティストのみなさんは、具体的にどのような分析案件に携わるのでしょうか。過去の実績を交えてご紹介ください。

能勢:たとえば物流部門と組んで、配送拠点の円滑な業務遂行を実現するプロジェクトに加わることもあれば、カスタマーサポート部門と協力して新たな不正対策を検討したり、EC部門とともにZOZOTOWNにご出店いただいているブランド様の戦略を踏まえた販促施策の立案と実行後の効果検証に携わったりすることもあります。また、事業部門や管理部門が立てた仮説の可否をデータ分析で明らかにすることもあれば、ふわっとした課題感から問うべきテーマを見定めた上で適切な意志決定を促すこともあるので、案件へのかかわり方やスタイルはケースによってさまざまです。

茅原:マーケティングサイエンスブロックについてお伝えすると、たとえばテレビCMやWeb広告、またZOZOTOWN内におけるユーザー離脱抑止策の効果検証の分析、さらに実施した販促施策や季節の影響を加味した日々の販売予測が日常の業務の柱となります。このほかにも新規事業の立ち上げ段階から事業成長に資する施策の検証に携わる機会もあるので、マーケティング本部の意志決定すべてにかかわる分析業務を包括的に担当していると思っていただいて構いません。

 ——分析する上でとくに大事にしていることがあれば教えてください。

能勢:私たちが分析を依頼されるテーマや領域、時間軸はさまざまですが、共通している点がひとつあります。それは事業部門や管理部門が抱える困りごとを解決することによって、最終的に「売上向上」や「コスト削減」を実現する点です。解決すべき課題が明確なこともあれば、課題のありかを見つける段階から携わることも少なくありません。そのため、分析依頼に機械的に応えるのではなく「事業部として将来どういう状態でありたいか」を踏まえ「現在のリソースでどのようなアクションなら取れそうか」といった実行段階を見据えた分析を心がけています。

茅原:つまり私たちは、ビジネスを動かす人たちにとって「主治医」のような存在なんです。定期的な「健康診断」を通じて潜在的な課題を明らかにするのはもちろん、すでに「症状」が出はじめているのであれば、適切な「処方箋」を書き症状の改善を促す役割を担っているからです。むろん「治療」が功を奏し症状の改善が見込めたら、さらなる投資を促してビジネスの発展を後押しすることもあります。ビジネスアナリティクス部はデータを武器に健全なビジネスを支える医者のような役割を期待されている組織なんです。

巨大ファッションEC「ZOZOTOWN」ならではの困難とやりがい

——改めてどんな点に仕事のやりがいを感じますか?

能勢:ZOZOTOWNという巨大なサービスを舞台にPDCAサイクルを回しながら、深堀りできる点ですね。技術的な面だけに留まらず、経営陣や事業部門のマネジメント層と議論する機会も少なくないため高い視座に触れたり、多種多様なビジネス課題に挑戦できるのが魅力です。そもそもZOZOは新しいチャレンジを是とする会社ですから、日々私たちの部署にも新たな分析テーマが持ち込まれてきます。新たな課題に向き合う機会が多く、仕事に飽きる間がありません。これも大きなやりがいのひとつです。

茅原:一般的にデータ分析業務は事業部門と距離感があり、なかなか成長の手応えを得にくいという話を耳にすることがありますが、ZOZOにはあてはまりません。ZOZOは経営層から現場のメンバーに至るまで、データをもとに意思決定しようというマインドがいきわたっているからです。データ分析に前向きな人たちと協働した結果、最終的にビジネスによい影響をもたらせたという確かな手応えを感じたとき、データサイエンティストとして大きなやりがいを感じます。

——ZOZOTOWNは数あるインターネットサービスのなかでもファッションに特化したECです。ZOZOTOWNならではの難しさはありますか?

能勢:年間購入者数1,100万人という規模感と、個人の趣味嗜好やトレンドに左右されるファッションに特化しているという点において、国内にZOZOTOWNに比類するサービスはほぼありません。その点はかなりユニークな分析対象だと感じています。

茅原:去年売れたものが今年売れるとは限りませんし、季節による変動もあります。また、同じ季節でも平均気温が高い夏とそうでない夏で売上の傾向が著しく変わります。そのため、非常に抽象度の高いレベルから検討を加えなければなりませんし、さまざまな可能性を踏まえ意義のある示唆を出すのは容易ではありません。常に課題の連続です。

——分析の質を担保するために、組織としてどのような取り組みに注力していらっしゃいますか?

能勢:分析を担当するメンバーは必ず、着手する前に分析を進める方針について案件の概要や背景、期待されるビジネス貢献、意思決定に必要なデータ、用いるべき分析手法などを集約したレポートをまとめ、必ず上長のレビューを仰ぐようにしています。誤った分析によってビジネスを間違った方向に導かないようにするためです。

茅原:ZOZOに入るまで、なかなか他のメンバーが過去に携わった分析事例の詳細に触れる機会がなかったのですが、私たちのチームでは過去にだれがどのような課題に対応した結果、どんなアクションにつながり、それによってどの程度の効果があったかが一目でわかるデータベースがあり、日々情報が蓄積されています。現在、その数は1,500案件あまり。過去の経緯を知らないメンバーでも迅速に情報にアクセスできるため、とくに若手メンバーや中途入社された方から好評です。

——教育や研修についてはいかがですか?

能勢:月1回の本部研修では、毎回決めたテーマについて学ぶ機会がありますし、定期的に案件情報の共有はもちろん、新たな分析手法の習得や最新の学術論文の内容について共有する機会を設けて、知見のアップデートにも努めています。

茅原:ほかにもメンバー主催の勉強会が盛んです。メンバーから「計量経済学について学びませんか」「コンサルティングの手法を通じてビジネスの知見を身につけましょう」という提案に対し、周囲が敏感に反応することもあって、ボトムアップで学びの場が続々と生まれています。

——なぜボトムアップによる知見の吸収に意欲的なのでしょう?

能勢:そもそも採用段階で成長に対して意欲的な人を採用しているので、組織カルチャーとして根づいているというのが大きいと思います。加えて、私たちが取り組む分析案件は、ほかに類例のないテーマが少なくありません。学び続けることが仕事の成果に直結するため、知見の吸収に意欲的なメンバーが集まっているのだと思います。

茅原:データサイエンティストの向学心に応える雰囲気があり、マネジメント層もメンバーの意欲を後押しするよう積極的に支援する環境も見逃せません。こうした環境があるからこそ、学びに対して貪欲なメンバーが揃っているのではないでしょうか。

AIとデータでZOZOを新たなステージに押し上げたい

——これからビジネスアナリティクス部として、どのような役割を果たしていきますか?

能勢:全社における意思決定や課題解決までのスピードの高速化と精緻化を加速させていかねばと思っています。また、将来的には、現在私たちが担っている分析業務の一部を事業部門のメンバー自身が行えるような体制づくりも進めていかなければなりません。それが実現した暁には、私たちはより抽象度が高く、より難しい課題に立ち向かうことになるでしょう。

茅原:因果推論を掘り下げようと思えば、不確かな未来と向き合い続ける必要があり、そのためには最新の手法を積極的に採り入れなければなりません。その上で、課題ごと、分析案件ごとの個別最適に満足せず、ZOZOのビジネスを包括する全体最適につながる施策に貢献していくことが、部として取り組む大きなテーマになると思います。広い視野と高い視座を持って、経営や事業にとって本当に意味のある本質的な課題解決につながる分析を追求していくのが、今後の目標です。

 ——こうした状況を現実のものとするために、どのようなスキル、マインドを持ったメンバーが必要でしょうか?

能勢:スキルセットとしてはPythonやSQLなどデータ分析系の知識や経験が必要ですが、これまでの話でもおわかりいただけたように、ZOZOのデータサイエンティストには、さらにヒアリング力やロジカルシンキング、プレゼンテーション力など、ビジネススキルに加え、難題に立ち向かうチャレンジ精神が欠かせません。現在在籍しているメンバーはもちろん、これから仲間に加わっていただくみなさんにも、仕事を通じてこうした能力を伸ばしてほしいと願っています。
 
茅原:優れたデータサイエンティストの定義として「ビジネス」「システム」「サイエンス」の三素養をバランスよく持つべきだとデータサイエンス協会が指摘する通り、ZOZOのデータサイエンティストもこれら3つが欠かせません。どれかひとつでも欠けると経営陣や事業部門の期待に応えられないからです。できれば、その上で自分なりの強みを持っていればベストです。

——読者のみなさんにメッセージをお願いします。

茅原:分析の結果によって事業やビジネスを動かしたい方、まだだれも解いたことのない課題に挑戦したい方、そういった大志を抱いている方にとって、ZOZOが非常にやりがいのある会社なのは間違いありません。私たちの仕事に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ話を聞きにきてください。ZOZOには志あるみなさんの期待に応えるだけの環境が整っていると自負しています。

能勢:ZOZOには、データサイエンティストが経営陣や事業部門と一緒に知恵を絞りビジネスの成長に貢献できる環境が整っています。データ分析の力でビジネスを変えたい方にとって、これほどやりがいのある場所はないはずです。ZOZOにはデータ分析の楽しい部分が詰まっています。データサイエンティストとして飛躍したい方、ビジネスとともに成長したい方からのご応募をお待ちしています。

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