CCSE 2018に協賛、研究所での取り組みを発表してきました!
こんにちは!スタートトゥデイテクノロジーズの後藤です!弊社の研究部門であるスタートトゥデイ研究所が2018年7月1日に「企業研究」に特化したカンファレンス、CCSE2018に協賛しました。本記事ではCCSE参加レポートをお届けします。
CCSE 2018
CCSEとはConference on Computer Science for Enterpriseの略で、企業研究の発表を主旨としたカンファレンスです。初回となる今回は、CyberAgent様、楽天研究所様、メルカリ様、Unity様と共に、スタートトゥデイテクノロジーズによって共催させていただきました。このようなカンファレンスが発足された経緯は、以下のインタビュー記事で紹介されています。
当日は全25の発表が9社によって行われました。
発表
スタートトゥデイ研究所からは中村、真木、Rajamの3人が登壇させていただきました。主にファッションアイテムの推薦を実現する技術に関する内容です。以下に当日の発表資料を載せていますので参考にしていただければ幸いです。
「インタラクティブな属性操作が可能なファッションアイテム検索」中村拓磨
ファッションアイテムの画像検索システムには、入力画像の一部を操作して検索結果を柔軟に変化させる事ができる属性操作という技術が存在します。この発表では、属性操作に関する研究事例や弊社の取り組みを紹介しています。
「コーディネート整合性を考慮したカテゴリ間推薦」真木勇人
ファッションアイテムは映画や音楽とは異なり、組み合わせで消費される性質があります。この発表では、カテゴリの異なるアイテムの相性を学習し推薦に利用する方法を紹介・提案しています。
「Autoencoderを用いたOutfitからのスタイル抽出」中村拓磨
こちらもファションアイテムの組み合わせの問題に取り組んでいます。IQONで人気のあったコーディネートのデータを用いて、その背景にあるファッションスタイルを抽出することに挑戦しています。
「ファッション業界向けセマンティクスとコンテキストアウェアハイブリッド推薦システム」Rajam Sidhant
複数の推薦アルゴリズムを組み合わせて弱点を補い合うという工夫に加えて、セールや天気などの文脈情報を利用した推薦システムについて提案しています。
講演の質疑応答だけだけでなく、休憩時間や懇親会でも多くの質問や議論をいただき、私たちにとってとてもためになるカンファレンスとなりました。
感想
各社の個別の開発事例は先進的で多岐に渡り、とても興味深いものでした。2018年1月に出来たばかりのスタートトゥデイ研究所としては、他社研究所の制度のお話は非常に参考になるものでした。特に参考になった事例について紹介します。
「サイバーエージェントのアカデミックへのアプローチ」岩本拓也
サイバーエージェントのAI Labでは、学振のインターンシップ規制緩和を受け、博士課程の学生のインターン採用を強化しています。その報酬額はなんと月額50万円〜!高額の報酬や企業研究の実務経験を積めることは博士課程の学生には非常に魅力的だと思います。この事例からAI Labが博士課程の採用を重視しているという意気込みを感じました。
「Cygames Researchにおける技術研究とその実用化事例について:論文化・特許化・実用化の高速なイテレーションの実現」倉林修一
Cygames Researchのリサーチャーのコアコンピタンスとして「論文化」「特許化」「実用化」ができることを掲げています。リサーチャーは論文を書くことで知識を体系化し、学会という外部監査を受けることで知識の正しさを保証します。実用化は、論文化された正しい知識によって生み出されるため、バグに対処できないと言った無責任な状況が起こらないとのことでした。さらにCygames Researchでは、リサーチャー1人に対し機械学習エンジニア3人のチーム構成で「論文化」「特許化」「実用化」を3ヶ月という非常に短期間でやりきる研究スタイルを取り入れているそうです。
懇親会でも研究者やエンジニア、学生の方から多くのご意見をいただき、持ち帰らせていただきました。また、この企画の運営を通じて各社の研究者たちと交流ができ、今後につながる関係が構築できたかと思います。
最後に
スタートトゥデイ研究所では、ファッションの領域の発展に貢献したい研究者/大学院生を募集します。
採用については、以下のページをご覧ください。
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株式会社ZOZOテクノロジーズ広報
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