レンガを積んで、壮大な大聖堂をつくる。ZOZOのMLOpsエンジニアが仕事を通じて見ている景色
楽しく働きながら、成長できる環境へ
私がZOZOに転職を決めたのは、機械学習の分野で技術力のある人たちと働けることと、ファッションという事業ドメインが自分にとって身近に感じられたことです。
大学院時代は神経細胞の研究をしていました。電極の上に神経細胞を培養し、神経細胞ネットワークの電気信号を計測して分析するものです。研究していた分野での仕事に就くのは、自分の能力やポスト、報酬等を総合的に考えて難しいと判断し、就職活動では自分自身が成長できる環境を幅広く考えて動いていました。
最終的にファーストキャリアに選んだのは、医療系のサービスを開発するIT企業です。事業が伸びている中で、魅力的な方々と少人数で一緒に仕事ができるため、自分の可能性を大きく広げられると考えて入社を決めました。
3年間の在籍期間では、最初の8ヶ月間はAI・機械学習チームのメンバーとしてデータ分析やPoCを行い、残りの期間は医療メディアプラットフォーム開発チームのWebエンジニアとしてプロダクト開発を基礎から学びました。
また、当時海外勤務を強く志望していたので、リソースの半分は本社の業務、もう半分は海外支社の業務にアサインされるなど、柔軟にキャリアを支援してもらっていました。
しかし、海外支社への正式な異動を相談していたタイミングで新型コロナウイルスが流行。目標にしていた海外勤務の実現はしばらく困難になってしまい、先行きも不透明になりました。再び機械学習に関わるエンジニアとして働きたい気持ちもあったため、それならば目的を新たにして働く場所を変えてみようと転職を考えました。
複数の会社の面接を受けましたが、最終的にZOZOを選んだのは、担当業務・一緒に働く人・事業ドメインが理由でした。
現在所属しているMLOpsブロックは、自分が培ってきたWeb・クラウドインフラの経験を活かしてMLシステムをプロダクションで提供することが求められており、自分の転職動機に合致していました。
また、面接をしてもらった現CTOの瀬尾さんをはじめ、非常に技術力の高い人たちと一緒に働ける環境は、今後のキャリアを考えるうえでも貴重です。また、カジュアル面談や面接を通じて、自分と価値観が合う「いい人」が多くいると感じ、楽しく働ける姿をイメージできたのが後押しになりました。
さらに、ZOZOのプロダクトが、ファッションという自分にとって身近なものであることも魅力的でした。自分自身がエンドユーザーでもあるのでサービスの体験を磨きやすく、働くやりがいをダイレクトに感じられそうだとも思えたからです。
好きなことを楽しく学べ、さらに成長できるなんて環境はそうないはずです。最終的には“ZOZO一択”で、キャリアチェンジを決めました。
機械学習を起点に、大聖堂をつくる
現在は、技術本部 ML・データ部 MLOpsブロックに所属し、機械学習を用いたシステムにおける、機械学習モデル部分以外の設計・構築・運用を行っています。
ZOZOのMLシステムに関わるチームには機械学習モデルを研究・開発するチーム、プロダクトに機能を実装するチーム、さらにその2つの間に立って橋渡しをする3つのチームがあり、MLOpsブロックが主に担当しているのは「橋渡し役」です。
例えば、ZOZOTOWNにはユーザーが商品画像をクリックすると類似の商品が表示される「画像検索機能」があります。画像検索のシステムはGoogle Cloud上に構築しており、日々追加される商品の画像をMLモデルでベクトル化して検索可能にするバッチをCloud Composerで、ユーザーが画像検索を行った際に検索を行い検索結果を返すAPIをGKE上で動かしています。MLOpsブロックではこうした画像検索のシステムが適切に機能しているか監視をおこなったり、何か新しい機能を開発する際にはそのためのシステム設計・インフラ構築・必要に応じてバッチ、APIの実装もしています。
また、MLシステムの開発を効率化する仕組みの検討・導入もMLOpsブロックで行っています。Vertex AI Pipelines を用いて再現性を担保したMLパイプラインを効率的に実装するための仕組みや、A/Bテストを効率的に回すためのAPI・分析の仕組みの構築などを行っています。
これは機械学習を用いてつくられた新しい機能を「ZOZOTOWN」に接続する役割を担い、ユーザーの「似合う」を実現する仕組みを技術で叶える仕事だと思っています。
ZOZOの企業理念は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」です。
ユーザーが、カッコよく笑顔になれるファッションに出会うために、機械学習は大きな役割を果たしています。先ほどのZOZOTOWNだけでなく、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」や超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」など、様々なサービスで機械学習が使われており、私たちの仕事がそれらのサービスを支えています。
目の前の仕事が企業理念の実現に貢献していることを実感しています。よくある例えですが、単にレンガを積んでいるのではなく、レンガを積んで壮大な大聖堂をつくっている気持ちを持っています。
私が担当する業務では、ZOZOTOWNやWEARなど複数のサービスのMLシステムを見ているので、何か異常が発生すれば各サービス担当チームと連携して一緒に解決します。それゆえサービスごとのコンテキストや技術の知識など、幅広い知識や技術が問われるので簡単な仕事だとは思いません。
苦労することもありますが、それでも仕事を楽しめているのは、尊敬できる仲間と、ユーザー様のことを考えながら、企業理念に向かって一緒に走ることができているからだと思います。
仕事だけが「働く」じゃない
私はZOZOのユニークなカルチャーが大好きです。ひと言でいえば「会社っぽくない」。働くということを全力で楽しむ姿勢は、素敵なカルチャーだと思っています。
もちろん数字の達成にはこだわりますしプロダクトの磨き込みには妥協がなく、常にいい緊張感が存在します。
ただ、働くことの楽しみはそれだけではありませんよね。
普段の業務とは異なる、コミュニケーション促進のための社内行事があったり、趣味でのつながりの場があったり、そういったところにまでこだわりを持つZOZOでの毎日は、「働くってこんなに楽しいんだ」ということを教えてくれます。
ZOZOには“ZOZOらしさ”を定義する「日々進歩」「愛」「ソウゾウのナナメウエ」という3つの言葉があり、「ソウゾウのナナメウエ」に関しては、それを体現するアクションを表彰する制度があります。
社内のコミュニケーションツールには表彰内容が投稿されるのですが、それを眺めていると様々な部署のスタッフの挑戦、働くことへの熱意が伝わってきます。私はこの時間が大好きで、いつか自分も表彰してもらえるよう挑戦しようと背中を押されています。
ZOZOらしさを体現する一人に
ZOZOで働くことを通じて、今後はMLのモデルを開発したり、プロダクトマネージャーとしてプロダクトの価値を高めたり、エンジニアの仕事の幅を広げていく経験を積みたいと思っています。
私が現在担当しているMLシステムの構築・運用効率化の仕事は、自分の業務を将来的になくすための仕事でもあります。自動化できる仕組みをつくり、働くスタッフが人間にしかできない仕事に向かうための取り組みをしているので、私自身も自動化が難しい領域へと進んでいきたいと考えています。
グローバルで活躍できる人材になりたいという目標も諦めていません。ZOZOでの仕事を通じて世界でも通用する知識と経験を得て、自ら機会を作っていくつもりです。
ZOZOのMLOpsブロックは、それを実現するには申し分ない環境なので、これからもサービスの成長に貢献し続けることで力を付けていきたいと思います。
あとは、これからも毎日わくわくすることを忘れずにいたいですね。
繰り返しになりますが、ZOZOに入社してからというもの、働くことがすごく楽しいんです。働くことにわくわくできているからこそ、毎日が実りの多い時間になり、吸収できることが増えていると感じます。この気持ちを忘れずにいたいですし、これから一緒に働く人にも伝えていくつもりです。ZOZOらしさを体現し、みなさんと一緒に成長していけたら嬉しいです。