ZOZOFITプロジェクトから学んだ!海外×新規事業の進め方
はじめに
はじめまして。計測プラットフォーム開発本部計測プロデュース部の谷川です。
私は2021年8月に中途入社しました。現在はボディーマネジメントサービス「ZOZOFIT」プロジェクトの開発チームのプロジェクトマネージャーを担当しております。2022年8月にアメリカにてサービスが開始されました。今回は計測プロダクト開発チーム(以下、計測チーム)のことや、ZOZOFITプロジェクトを通じてプロジェクトマネージャーの視点から捉えた課題とその解決、また今後に向けた改善についてお話したいと思います。
計測プロダクト開発チームとは?
私たちの組織はZOZOMATやZOZOGLASS、ZOZOMAT for Handsといった計測デバイスとアプリを組み合わせた計測系プロダクトのサービス開発を日々おこなっております。
普段は計測事業本部、計測プラットフォーム開発本部、ZOZO Apparel USA(以下、ZOZOUS)、ZOZO NEWZEALAND(以下、ZOZONZ)が一緒になって、プロダクトごとの各プロジェクトを進めています。
ZOZOと言えば、やはりZOZOTOWNやWEARが大きなサービスですが、私たちは「計測技術」という特徴的な領域で、ユーザに快適なサービスを提供することをミッションにしているチームになります。
新サービスZOZOFITについて
ZOZOFITは、初代ZOZOSUIT(以下、旧ZOZOSUIT)よりも大幅に計測精度を向上させたZOZOSUIT(※)を着用して、スーツ全体に施されたドットマーカーを、スマートフォン上のZOZOFITの専用アプリとカメラで360度撮影することで、高精度な体型計測が可能な新規サービスです。このサービスをまずは日本国内ではなく、アメリカ市場に展開しました。
フィットネス大国と言われるアメリカでは、ボディメイクや体型の維持向上に関心のあるユーザが非常に多く、そういったユーザの助けとなるサービスを目指します。
ハードウェアのZOZOSUITと機械学習による計測のコアとなるアルゴリズムは以前から研究開発で日々改善を進めていましたが、本格的にプロジェクトが動き始めたのは、2021年9月頃からでした。
これまでの旧ZOZOSUIT、ZOZOMAT、ZOZOGLASSは、ZOZOTOWNアプリの一部に組み込まれたサービスでしたが、ZOZOFITはZOZOTOWNとは完全に独立した単独アプリで構築する方針となりました。
多くのステークホルダーと共に〜特に海外チームとの協業
ZOZOFITプロジェクトは多くのステークホルダーと協力しながら進めました。
計測プロダクト開発チームとして、まず日本側は、バックエンド、フロントエンド、SRE、アプリ(iOS、Android)の開発チーム、データ精度・検証、分析、配送・契約担当チームで構成。ZOZOUS側では、ブランディング、マーケティング、カスタマーサポート(CS)を担当。ZOZONZ側では、計測アルゴリズム開発やアプリデザイン、iOS開発を担当しています。
バックオフィス、デザイナー、生産支援、カスタマーサポート、品質管理(QA)チームなど多くのみなさんの協力を得ながら進行しました。
これらの多くのチーム、組織が一つのプロジェクトの中で密に連携しながら、一つのものを創り上げていきます。
その中でも、我々計測チームとして特徴的な点は、ZOZOUSやZOZONZの海外チームと日々一緒に開発業務を進めているところです。共通言語は英語で、会議も英語での会話となります。また、ドキュメントやSlackのテキストも全て英語でのやりとりです。私にとっては、社内でも貴重な経験ができるチーム構成だと考えています。この点が私たち計測チームの特徴のひとつであるとともに、国内にとどまらないグローバルな領域でサービスの企画、開発に携わることができる、とても刺激的な組織です。
ZOZOの中でも特異なサービス開発の難しさと魅力
私自身、前職までの経験上、新規サービスの立ち上げ、開発に携わったことはありましたが、今回のZOZOFITプロジェクトがそれらと確実に異なるポイントは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた計測サービスの開発であることと、海外チームと協業することの2つです。
アプリ(ソフトウェア)の開発については、ある程度入社前のイメージ通りではありましたが、計測精度をいかに高めていくかが重要で、手軽でかつ精度が高いということが他社との差別化、優位性になります。そのためには、多くの被験者を集めて、アプリで計測をして、その精度が正しいのかを、人間の手で計測した結果と比較して、誤差を確認、それをZOZONZにも共有しながら、計測精度のチューニングを繰り返します。アプリ(ソフトウェア)というデジタルで無形なものとZOZOSUIT(ハードウェア)というアナログで有形なものを組み合わせてひとつのサービスとして提供する計測サービスをゼロから創り出していくには、チューニングは非常に重要な作業です。私自身、このようなプロジェクトは初めての経験でした。
特に私たち計測チームはゼロからものを考えて創っていく作業が多く、業界内外を見まわしても、同じようなサービスを手がけているところは少なく、どこにも正解がない中で、試行錯誤を繰り返しながら進めています。多くのメンバーが所属する中、当然考え方が異なることも多々あり、ましてや海外チームとの協業なので難易度も低いとは言えませんが、ZOZOでしかできないことにチャレンジしているというワクワク感があります。
現状の課題感と今後の改善に向けて
ZOZOFITのプロジェクトを通して見えてきた課題感もあります。それはやはり海外チームと協業することの難しさです。
海外チームと業務をおこなっていくにあたり、みんなが目指している最終的なゴールは同じですが、そこには言語や時差というとても大きな壁が存在します。その壁が大きいため、想像以上に時間を要することもあります。合意形成を取っていくためには、テキストであろうと、会話であろうと、それらを重ねることでしか埋めることはできず、改めてコミュニケーションの重要さを実感していました。よって、コミュニケーションツールを介した非同期コミュニケーションをより促進し、信頼関係を高めていきました。
この改善に向けて実施してきたこととしては、次の通りです。
・海外チームを含めての会議
日本とZOZONZ開発関係者の定例会議を実施して認識合わせを進めたことや、アプリの開発では技術的な課題等のすり合わせを定例で実施することで、オンラインではありますが、対面でのコミュニケーションを通じて、非同期では埋められないコミュニケーションの機会も設けました。
・ZOZONZとの情報共有
iOSの開発において、特にAPIについては、ZOZONZ担当の開発に大きく関わることになっていたため、APIのエンドポイントごとの開発やテストの進捗状況についてスプレッドシートでZOZONZにも共有、共通のシートで管理しました。その結果、各チームの作業状況が見えるようになり、スムーズに進めることができました。また、それに関する課題やQ&&Aについては、GitHub上でissueをあげて、バックエンド、iOS、Android、ZOZONZの各チーム間で英語にて直接やりとりを進めました。その結果、解決までのスピードが非常に上がりました。
・特に海外チームとのSlackでの非同期コミュニケーション
Slackをフルに活用して、英語でのテキストコミュニケーションを積極的におこないながら、言語や時差の壁で発生するスピード感の低下を補いました。
海外チームとの協業において、更なる改善に向けては、海外メンバーを含めた会議においては、日本のメンバーもできる限り英語での会話をしていけるように取り組みを進めています。非同期のコミュニケーションではすでに英語でおこなってきましたが、会議においても、自ら英語で会話していくことで、海外メンバーとの距離が縮まっていくことを期待しています。結束力のある良いチームに成長できることを目指していきたいと考えています。
さいごに
計測プロダクトの開発という、ZOZOの中でも特徴的な領域で日々奮闘している私たち計測チームをZOZOの内外にも知っていただきたく、今回投稿いたしました。
ゼロから創り出したZOZOFITサービスも、今夏まずアメリカでローンチ後、今度はイチから10、100とサービスを改善しながら成長させていくフェーズに入ります。将来はアメリカだけでなく、他の国々や日本国内でもサービスを展開することになるかもしれません。さらには、また計測にまつわる新しいプロダクトのアイデアが生まれてくるかもしれません。これからますます楽しみです。
今後、この計測プロダクト開発を通して、社内の色々な部署の方々とも、もっと一緒になって仕事ができればと思います。
ZOZOでは、一緒にサービスを作り上げてくれる仲間を募集中です。ご興味のある方は、以下のリンクからぜひご応募ください!