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【WEAR】コストを最小限に抑えながら短期で改善施策リリースを繰り返したお話

はじめまして。サービスグロースチームの菊地です。
専業はデータ集計で、弊社が運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR」を成長させるための分析業務を担当しています。数値を追っていくなかで様々な課題や改善案が浮かぶのですが、それらの案をどう実現していったかをお話します。

1.プロジェクト化した背景

新規の改善施策を実現するにはリソース的ハードルがありました。既に計画されている大型案件や基盤整備、および目の前の改修業務の方がどうしても優先度が高くなり、新規案件を並行させる余力が残しづらかったのです。
そこで、
・案件の小型化:機能やデザインを大幅に変えるものではなく、1カ月以内にリリースできる規模の施策とする
・データによる意思決定:現状調査・仮説立て・目標への影響度試算を元に優先順位を決める
を重視しプロジェクト化して取り組むことになりました。

2.どんなチームで?

人員は最小限とし、以下5人編成になりました。
・リーダー1人:部内に案件を通し、API周りやバックエンド開発も行う
・エンジニア2人:ウェブサイトおよびバックエンド開発を行う
・プロジェクト管理1人:デザイナーなど職種間の調整と全案件の進捗管理を行う
・企画分析1人:現状調査と影響試算からの提案、及び事後の効果検証を行う
各々主業務と並行して本プロジェクトに携わり、私は企画分析として施策を提案しました。
チームで意見を出し合ってまとめ、WEARのリーダー陣から合意を得て案件化したのち、デザイナーやサービス運用など必要な他職種から力も借りながら施策の実現に至りました。

3.何をしたの?

プロジェクトでは期間4カ月間で4件(月1件以上)のリリースを目標としました。
提案した施策は約40件、うち合計7件(月平均2件)をリリースすることができました。これまでの案件では1件のリリースに1カ月以上かかることが多いのですが、このプロジェクトでは必要最低限の要件に絞ったため、デザイン・開発合わせて1週間以内でリリースすることができました。


具体例

①スマホサイト アイテム購入ボタンの文言変更 →送客率前年比4%向上!

WEARの重要指標の1つに「ZOZOTOWNへの送客」があります。
欲しい服が見つかったらそのまま手に入れられるよう、WEARのアイテム画面にはZOZOTOWNや提携ECサイトへのリンクボタンが掲載されており、それによる送客を伸ばすための施策を実施しました。
既存の「購入する」という表現はカートに入れて決済に進むような印象があり、他サイトへ遷移するだけという実態と乖離がありました。そこで数パターンの文言でABテストを実施したところ、コーディネート画面では「商品を見る」、アイテム画面では「在庫を見る」という文言がもっとも送客率が高くなるという結果が得られました。実際にスマホサイトへ実装し、送客率の前年比を4%向上させることができました。

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②ウェブサイト metaタグの変更 →CTR前年比2%向上!

WEARのウェブサイトはGoogleからの評価が高く、これまで検索経由の流入数は常に前年を越え好調でした。ただコロナ禍の外出自粛に影響を受け伸び悩む時期があり、metaの見直しに着眼しました。WEARが提供できる価値をより分かりやすく伝えられるようタイトルやディスクリプションを検討し、静的な文言に落とし込むことで開発コストを抑えた状態で、提案から数日でリリースできました。結果、高い掲載順位を維持しながら平均CTRの前年比を2%向上させることができました。

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一方で、期待した効果は出なかったものの発見から次回策につながった施策例もあります。


③スマホサイトにおける「コーディネート一覧画面」の検索補助として吹き出しを掲載 →直帰率悪化

コーディネート詳細検索の認知を目指し、一覧画面ヘッダーの検索ボタン付近に吹き出しを付けるABテストを実施したのですが、吹き出し有りパターンの方が直帰率が上がってしまいました。吹き出しが性別切り替えタブの一部に被ってしまったり情報過多で視認性に影響を与えてしまったと考えています。この発見を参考に、より直感的なUIを意識した次のABテストが進行中です。

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4.振り返り

本プロジェクトでは、リリース頻度を高め短期間でサービス改善を進めることができました。
特にPDCAサイクルを早められたのは以下のルールに沿って動いたためです。
・データを重視する→案件化への合意が取りやすくなった
・少人数のチームにする→意思決定や開発着手が素早くなった
・小規模の施策案に集中する→開発コストを抑えられた

今後は、よりKPIへのインパクトが大きい施策も視野に入れつつ引き続きサービス改善を推進していきます。


最後に

サービスグロースチームでは、WEARのKPI定点観測から問題提起、施策の要件定義と運用、効果検証、また集計環境の設計など業務範囲が広く、積極的にサービスへ関わっています。開発チームやサービス運営チームとも密に関わり、多くの情報を共有しながらデータを根拠に提案できることが強みです。
私自身も洋服が好きなことから、もっとこんなサービスだったら良いのにとユーザー目線で提案することも多々あります。
服を着ている全ての人をファッションで幸せにすることをモットーに、ユーザーの顔を想像しながら好きを仕事にできることを幸せに感じています。

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