ZOZO ファッションテック ハイライト 2021
こんにちは、ZOZO広報です。今年も残すところあとわずかですね!
2021年、ZOZOは、 ZOZOTOWN史上最大規模のリニューアル、ZOZOCOSMEやZOZOVILLAのローンチ、ZOZOGLASSなどの計測テクノロジーの発表、ZOZOグループの組織再編など、 盛りだくさんな一年でした。
本記事では、経営戦略として「MORE FASHION × FASHION TECH」を掲げるZOZOの1年の総括として、2021年のZOZOグループのファッションテック関連の取り組みを振り返る「ファッションテック ハイライト 2021」を公開します!
①「計測テクノロジー」ハイライト
フェイスカラー計測ツール「ZOZOGLASS」
サービス開始:2021年3月18日
計測者数 :108万人 ※2021年9月末時点
申込者数 :119万人 ※2021年9月末時点
ZOZOCOSME取り扱いファンデーションのうち約75%をカバー ※2021年9月末時点
手指の3D計測用マット「ZOZOMAT for Hands」
発表:2021年10月28日
2021年11月 ブルガリ ジャパン株式会社へ期間限定、枚数限定で配布
3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT 2」
(https://corp.zozo.com/measurement-technology/)
発表:2020年10月29日
2021年7月、プロバスケットボールクラブ「アルティーリ千葉」を運営する株式会社アルティーリ、国立大学法人千葉大学の三者で、ZOZOSUIT 2を活用した共同取り組みの開始を発表。
足の3D計測用マット「ZOZOMAT」
サービス開始:2020年3月4日
2021年9月末時点では3,340型が対応済み(販売終了含めた累計)
計測者数:187万人 ※2021年9月末時点
申込者数:182万人 ※2021年9月末時点
(※)ZOZOMAT対応シューズと非対応シューズの返品率を比較(対象期間:2020年2月27日~2020年10月12日)
②「AI活用/技術関連」ハイライト
Zホールディングスグループ企業横断でAI人材を育成するコミュニティとして発足した「Z AIアカデミア」に、ZOZOの野口 竜司が幹事として参画
本コミュニティには、当社のAI R&D推進本部 本部長 野口 竜司が「Z AIアカデミア」幹事として参画しています。
「ZOZOUSED」ウェザーMDを導入し、古着の出品計画を最適化
ZOZOTOWN内でブランド古着の販売をおこなう「ZOZOUSED」では、ZOZOTOWNの膨大なデータを用いて古着のMD全体にAIを活用し、仕入れから販売までの各プロセス最適化に向けた取り組みを行っています。今年、季節性の強い商品を対象に、気象情報を用いた機械学習モデルを組み込んだ出品計画システム「ウェザーMD」を導入しました。高精度な日次販売数予測に基づく出品計画の適時アップデートにより、商品の消化最適化を図っています。
上記の他にも、以前よりおこなっている複数のAI活用により、在庫の消化率が向上したことで仕入れも強化できる好循環が生まれており、サステナブルな消費にもつながっています。
③「研究開発」ハイライト
ZOZO研究所と半熟仮想、共同研究チームが第3回 日本オープンイノベーション大賞 内閣総理大臣賞を受賞
ZOZO研究所と半熟仮想株式会社の共同研究開発チームが開発した「社会的意思決定アルゴリズムのオープンソース開発&実装基盤」が、内閣府主催の日本オープンイノベーション大賞で内閣総理大臣賞を受賞しました。本実装基盤はZOZOTOWNのマーケティング施策にも導入されており、クリック率や購買率の向上を実現しています。また、本実装基盤および大規模データは2020年8月より無償公開をおこない、幅広い領域での意思決定の最適化、自動化に寄与しています。
バーチャルプロジェクト第1弾、4人のバーチャルファッションモデル「Drip」が登場
ZOZOテクノロジーズ(※1)によるバーチャルプロジェクトの第1弾として、当社のバーチャルヒューマン生成技術を使用した、4名のバーチャルファッションモデル「Drip」が登場しました。Dripは、当社とディープフェイク技術(※2)において世界的第一人者であるHao Li氏が率いるPinscreen社が共同開発をしており、リアルな人間との判別が難しいほどのクオリティを実現しています。
Instagram:https://www.instagram.com/proj3ct.drip/
ZOZOテクノロジーズ(※)、東京大学、細尾との共同研究成果展示“Ambient Weaving ── 環境と織物”を京都にて開催
東京大学大学院情報学環 筧康明研究室、株式会社 細尾と三者で取り組んだ共同研究の成果展示を2021年4月から9月まで開催しました。本共同研究では西陣織の構造や意匠に、先端素材やデバイスをかけ合わせることで周囲の環境情報と織物を媒介する様々な機能と表現の両立を目指して、研究を進めてまいりました。展示では、発光する西陣織や温度変化によって変色する西陣織などプロトタイプとなる5作品を披露しました。
ZOZO研究所、ファッションの流行変化を検証する 大規模データセットと実装基盤をオープンソースとして公開
ZOZO研究所では、ファッションの流行が変化しても継続的に認識精度を高く保つことができるAI技術の実現を目的に研究を進めています。ファッションに関連するデータは、流行や時間の変化による影響を受けて、「分布シフト」と呼ばれる数理的現象が生じると考えてられており、この分布シフトによって、AIの認識精度が低下することで近年注目を集めています。そこで、分布シフトの研究・検証に用いる実用的な大規模データセットおよび実装基盤を、オープンソースとして公開しました。
本データセットはファッションに限らず幅広い分野での活用が可能です。
データセットおよび実装基盤:https://github.com/st-tech/zozo-shift15m
早稲田大学、上智大学と機械学習 実応用分野での共同研究を開始
ZOZO研究所は早稲田大学データサイエンス研究所、上智大学理工学部 山下遥 助教率いる 山下研究室と三者で「機械学習に基づく消費インテリジェンスの獲得とビジネス応用」に関する共同研究を開始しました。本共同研究では、ZOZOグループに蓄積されたデータを活用することにより、機械学習技術において課題となるAIのブラックボックス問題の解消を目指し、「AIによる意思決定の根拠や理由を可視化する技術の開発」を行います。
機械学習が結論を導くまでの論理を明らかにすることができれば、ユーザー一人ひとりに対してパーソナライズした施策の立案や、万が一サービスに関連してエラーや不具合が起こった場合にも、原因を特定し、改善策を検討することが可能となるため、大きなビジネスインパクトが期待されています。
ZOZO研究所、AI分野のトップカンファレンス「NeurIPS 2021 Datasets and Benchmarks Track」にて共著論文採択
ZOZO研究所所属の研究員らが執筆した論文「Open Bandit Dataset and Pipeline: Towards Realistic and Reproducible Off-Policy Evaluation」が、AI分野の国際会議「NeurIPS (Neural Information Processing Systems) 2021 Datasets and Benchmarks Track」に採択されました。本論文では意思決定アルゴリズムを、実サービス環境に実装する必要なしに効果的にオフライン評価するための手法を提案しています。
この手法はZOZOTOWNのマーケティング施策にも導入されており、効率的なアルゴリズム開発を実現することによりクリック率や購買率向上に貢献しています。また、論文にて紹介しているOpen Bandit DataおよびOpen Bandit Pipelineはオープンソースとして公開しています。
論文リンク : https://arxiv.org/abs/2008.07146
Open Bandit Dataset:https://research.zozo.com/data.html
Open Bandit Pipeline:https://github.com/st-tech/zr-obp
④「ZOZOグループ組織再編」ハイライト
2021年10月、ZOZOとZOZOテクノロジーズ組織再編、ZOZO NEXT始動
ZOZOグループが展開するサービスの運用や技術開発を担う「株式会社ZOZOテクノロジーズ」のテクノロジー研究開発以外の全事業部門をZOZOに集約しました。ZOZOの企画部門とZOZOテクノロジーズの開発部門が融合することで、双方の連携をより強固にし、事業のさらなる高速化によるサービスレベルの向上と、ZOZOグループの価値向上を目指します。
ZOZOテクノロジーズは会社分割後、ZOZOグループ内のその他海外拠点とともに、テクノロジーの研究開発及びプロダクト開発を推進する「株式会社ZOZO NEXT」として発足しました。
⑤「開発組織/人材」ハイライト
2021年は、ZOZOTOWN史上最大規模のリニューアルにはじまり、ZOZOCOSMEやZOZOVILLAなどの新サービスやZOZOGLASSなどの計測テクノロジーを発表することができました。また、ZOZOTOWNのモダンアーキテクチャへのリプレイスプロジェクトも進んでいます。ここでは、ZOZOの開発部門の一年の振り返りと併せて、組織全体で共有している考え方について、開発部門の組織開発をリードする技術本部 本部長 瀬尾のコメントをご紹介します。
ここまで、ZOZOグループの2021年のファッションテックに関する様々な取り組みをご紹介してきました。私たちは、ファッションテック企業として、2022年もたくさんの挑戦をしていきたいと思っています!
みなさま、良いお年をお迎えください!