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3年間のマネジメント勉強会を通じて学んだ「ZOZOでのマネジメント」

こんにちは、ECプラットフォーム部会員基盤ブロックの鶴見です。

この記事ではZOZOで行ってきたマネジメントを紹介します。組織やチームで成果を出すためには、マネジメントが必要不可欠です。「メンバーの能力を十分に引き出し、活躍しながらチーム全員で目標を達成する」と口で言うのは簡単ですが、実現するのは難しいものです。メンバー間でトラブルがあったり、一生懸命やっているのに成果が出なかったり、何かしらマネジメントに悩みを抱えている人が少なくありません。ZOZOでも同じようにマネジメントに悩んでいる人がいます。

そこでマネジメントに悩みを持った人が集まり、悩みや情報を共有する勉強会を開催することにしました。この勉強会は「マネジメント勉強会」と名付け、2019年12月から3年以上継続しています。現在までに28回開催しました。

本記事では、その内容を紹介します。マネジメントで悩んでいる人に何かしら参考になればと思います。


マネジメント勉強会とは?

マネジメントに興味ある人や困っている人が有志で集まって勉強会を開催しています。目標やメンバー支援、キャリアプランなどピープルマネジメントを中心としたテーマを扱ってきました。

マネジメント勉強会は次のような場にしようと活動しています。

  • マネジメントを勉強したいと思っている人が集まる場

  • 情報や悩みを共有し、縦と横のつながりを作る場

  • お互いの悩みを聞いたり話したりすることで深く考えたり、新しい視点に気づいたりするための場

現在、運営メンバーは鶴見、指原、後藤、高橋、外丸、今野の6人です。

勉強会の内容は?

さまざまなテーマを取り扱ってきましたので、一覧で紹介します。各回の参加人数は、少ないときは10人弱、多いときは30〜40人ほどです。


マネジメントの大事な要素

マネジメント勉強会でさまざまなテーマを扱ってきた結果、マネジメントの大事な要素が見えてきました。それは次の4つです。

  • 【思考】自分なりにマネジメントを考える時間を増やすこと

  • 【情報】マネジメントに関するインプットを増やすこと

  • 【相談】マネジメントを相談できる場所や人を増やすこと

  • 【行動】思考、情報、相談から得た内容を元に行動を増やすこと

図にすると次のようになります。

チームに対してどのようなマネジメントをすべきか自分なりに考える「思考」。問題が解決しない場合、他のリーダーやメンバーと「相談」する。そして書籍や他の人の意見から「情報」を得る。これらを組み合わせて何かしら「行動」をする。これらを適切にできればマネジメントがうまくいくと考えました。

マネジメントは人やチームにより違いますし、組織の状況によっても変わります。必ず上手く行くような方法はありません。だからこそ状況に合わせて、最適解を見つけていく必要があると考えます。

マネジメント勉強会は「思考」「相談」「情報」を担い、それを全体的に満たすような取り組みをしてきました。


マネジメント勉強会で分かった重要な取り組み5選

チームや組織を成長させるキッカケになった取り組みを5つ紹介します。どの会社・組織でも通用する内容です。

 1. 1on1

ZOZOでは全社員が1on1をしています。開催間隔や1回あたりの時間に決まりはありませんが、週1回30分が推奨されています。
1on1は以前から行っていたわけではなく2020年頃から徐々に浸透していきました。結果、現在では1on1を行うことがルール化されました。

1on1の社内アンケート(2022年12月)の結果を一部共有します。


ZOZOでは2週間に1回の実施が最も多く、次いで1週間に1回の実施となっています。また1on1に「満足している」という声も多い状況です。

2020年から本格的にリモートワークとなり、メンバーとのコミュニケーションに迷うチームもありました。そこに1on1が導入されたことでリーダーとメンバー間で深いコミュニケーションが生まれたと感じます。

マネジメント勉強会では1on1に関する書籍を読み、感想や意見を共有する会を行いました。そこで共感のあった項目をいくつかピックアップします。

  • 1on1はリーダーが聞きたいことを聞く場ではなくメンバーの話に耳を傾ける場である

  • リーダーはメンバーの支援者である

  • 沈黙はメンバーが考えている証拠なので30〜60秒は何も言わず見守る

  • メンバーのことを聞く前に、リーダー自身がどうなっていくのか語れるようになる

  • アクションプランはメンバーの強みが発揮できるようにする

  • モヤモヤを残したまま1on1を終えると、ミーティング後もどうすれば良いのか自分で考えるようになる

  • 振り返るときは過去だけなく「未来でどうなりたいか」の視点でも振り返る

マネジメント勉強会から学んだことはチームに持ち帰り、1on1に役立てています。

2. 目標設定と評価

ZOZOでは半期に一回目標を決めています。組織の目標を決め、部署、チーム、個人の目標へブレイクダウンしていく形です。そこでリーダーを悩ませるのは自分よりもメンバーの目標です。
各メンバーが高いパフォーマンスを発揮して個人目標を達成することで、チームや組織の目標達成に近づくのが理想です。しかし簡単ではありません。

マネジメント勉強会で度々登場したのが「Will Can Must」のフレームワークです。「Will」はメンバーのやりたいこと、「Can」はメンバーができること、「Must」はメンバーがすべきことを表しています。

「Will Can Must」が重なる部分を見つけて目標を立てると良いとされています。マネジメント勉強会で学んだことは「Will」はメンバーが人生を通してやりたいこと、「Can」はひとりの人間としてできること、を意味するということです。


「Will Can Must」はあくまでメンバー視点です。もうひとつ組織の視点を考える必要があります。なぜなら、メンバーのやりたいことだけを優先しても、組織の成果に結びつかない可能性があるからです。そのため組織とメンバーの両方の視点で考え、どちらも満たすように目標を設定します。これを「人材育成に繋がるピープルマネジメント型の目標」としました。

目標設定が甘いと評価もブレてしまうため、目標設定はとても重要なタスクであると感じています。

3. 自己理解と他者理解

ピープルマネジメントで大事なのは自分とメンバーを深く知ることです。メンバーが、どのようなことに悩み、どのようなことにやりがいを感じ、どのような価値観を持っているのか知っているでしょうか。また自分はどのような特徴があり、自分のキャリアプランは何か、語れる状態でしょうか。

自分やメンバーのことを深く理解している人は意外と少ないものです。そのため自己を理解し、メンバーも理解するための取り組みを行いました。

自分を理解し、メンバーを理解できればチーム全体を理解できると考えました。どのような人にどのような仕事を任せるのが良いのか、どうすればチームでシナジーが生まれるのか、相互理解はチームが成長するキッカケにもなります。行った取り組みを紹介します。

ストレングス・ファインダー

ストレングス・ファインダーは、ギャラップ社が開発した個人の強みや長所を発見するためのツールです。このツールは、34個の異なる強みに焦点を当てます。自分がどの強みを持っているのかをテストすることで、自己理解を深め、自分自身をより良く理解することができます。

マネジメント勉強会ではストレングス・ファインダーに興味ある人を集め数十人で実施しました。人により強みが「慎重さ」だったり「収集心」だったり個性がでます。

自分の強みと他の参加者の強みが分かることで関わり方が変わります。例えば、〇〇さんの強みは「着想」だから、新しいアイデアを持っているかもしれない!といった具合です。

Wevoxバリューズカード

バリューズカードはアトラエ社が提供している個人の価値観を引き出せるカードです。1on1で「あなたの価値観を教えてください」と言われても答えづらいと思います。もっと気楽にゲーム感覚で自分や他者の価値観に気づけるツールがバリューズカードです。相互理解やエンゲージメント向上が見込めます。

マネジメント勉強会でやり方を学び、チームで実施し、お互いの価値観の確認を行いました。

ソーシャルスタイル

ソーシャルスタイルは、アメリカの心理学者であるデビッド・メリル氏とロジャー・レイド氏によって提唱されたコミュニケーション理論です。ソーシャルスタイル理論では、言動、行動、考え方などから人を4つのスタイルに分類します。

  • ドライバー:合理的で高い目標達成意欲

  • エクスプレッシブ:明るい盛り上げ役

  • エミアブル:優しくて協調性が高い

  • アナリティカル:冷静でロジカル

タイプを理解することで接し方が分かるようになります。このような複数のツールを用いて相互理解を高めていきました。

 4. メンバー支援

マネジメント勉強会で「どのようにメンバーを支援していけば良いか」という悩みがありました。そこで学んだのは「フォロワーシップ」という考え方です。

リーダーシップは、チームの目標達成に向けてメンバーを導きながら進めていくことです。一方で、フォロワーシップはメンバーが能力を発揮したり、モチベーション高く自主的に動けるようにサポートすることです。

次の4つの考え方が重要になります。

  • リーダーは目標達成のためにリーダーシップを発揮する

  • メンバーも目標達成のためにリーダーシップを発揮する

  • リーダーはメンバーの目標達成をあと押しするためにフォロワーシップを発揮する

  • メンバーはリーダーの目標達成をあと押しするためにフォロワーシップを発揮する

リーダーとメンバーそれぞれがリーダーシップとフォロワーシップを発揮することで目標に近づけます。リーダーはメンバーの見本となるように率先してリーダーシップとフォロワーシップを発揮するのが良いと考えます。

5. 映画や漫画から学ぶ

最後に「映画や漫画から学ぶ」という少し変わった取り組みをしました。

  • 犯罪スペシャリストの集団が巨大金庫を狙う映画を観て、目標に向かうために各自の役割を明確する重要さを学んだ

  • 中華戦国時代の漫画を読み、リーダーシップは誰が発揮しても良いことを知った

  • ファッション誌で働く主人公がボスの要求に応えることで成長していく映画を観て、仕事内容、プライベート、キャリア何を大事にすべきか考えさせられた

  • 宇宙飛行士を目指す漫画を読み、主人公のようにみんなをサポートすることで輝けるリーダーがいることを知った

映画や漫画の詳細は紹介できないため割愛させていただきますが、普段何気なく見ていたエンターテイメントからも学びを得られることが分かりました。大事なのは「何かを学ぶ意識」でエンターテイメントを見ることでした。「主人公はなぜあの場面であのセリフを言ったのか?」「あの指示が的確だったので作戦がうまくいった。あの指示がなければ失敗していた」など考えながら見るようになったのです。それをマネジメント勉強会を通して他の人と共有することで学びが深まりました。

勉強会では好きなキャラクター、なぜそのキャラクターが好きなのか、などひとりずつ発表してお互いの考えを聞いたり、その映画から「良いチームの条件を3つに絞るとしたら?」とお題を出し、3〜4人程度のグループでディスカッションを行ったりしました。

まとめ

今回はマネジメント勉強会で学んだことを重要な順番で5つ紹介させていただきました。

組織での仕事はひとりではできません。周りとのコミュニケーションが欠かせません。身近にいるメンバーとのコミュニケーションは1on1を中心に取り、リーダーとメンバーで納得のいく目標を決めました。応用として自分を理解し、メンバーを理解して支援することを学びました。適切なアプローチで支援していくことでメンバーやチーム、組織が回り始めます。
さらに上を目指したい人は映画や漫画など、日常のエンタメからも学ぶ方法もあります。

これらを活用することでチームの生産性が向上し、人も組織も成長し、楽しく働ける状態になると考えています。

最後に

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