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生成AI業務活用プロジェクトの取り組みと成果

こんにちは!事業推進部 AI R&D推進ブロックの川田です。

私が所属するAI R&D推進ブロックは、AIを実装した機能や施策の企画とその推進を行うことでZOZOのサービス価値を向上させることをミッションとするチームです。

今回は、昨今世間を賑わせている生成AIを使った「生成AI業務活用プロジェクト」のPMとしての取り組みと、その成果についてご紹介します。


プロジェクトの背景

「生成AI業務活用プロジェクト」とは、その名の通り、ZOZOの仕事に生成AIを導入し業務改善することを目指したプロジェクトです。

2022年秋ごろよりChatGPTをはじめとした生成系AIの技術の進歩が目覚ましく、それらを活用してZOZOでも業務改善がはかれる可能性を感じていました。

当時のZOZOでは、開発部門でのコード生成技術の検証は進んでいましたが、ビジネス部門においての活用はほぼ未検討だったこともあり、AI R&D推進ブロックで全社を俯瞰した活用余地の調査を行うことになりました。

プロジェクトの実施

当プロジェクトでは、生成AIの潜在力を業務に応用するために、具体的なフェーズを設定し、段階的に取り組みました。

  1. 対象領域の選定

    • 生成AIといってもテキスト生成、画像生成、動画生成など複数存在します。その中で、当プロジェクトでは、業務で特に活用が期待されるテキスト生成と画像生成に対象領域を絞りました。

  2. 生成AIの調査

    • どのような生成AIサービスが存在し、それぞれ何ができるのかを探りました。この段階では、さまざまな生成AIサービスを試用し、その出力品質を確認しました。

  3. 簡易PoC

    • AI R&D推進ブロックで想定した社内の業務をもとに、各生成AIモデルの精度を検証しました。これにより、どういった業務で活用できそうか仮説を立てました。

  4. ニーズ調査

    • 23部門86名に及ぶスタッフから意見を集め、業務課題を洗い出し、その中にある生成AIの活用ニーズを261件リストアップしました。

  5. PoC対象選定/準備

    • リスト化したニーズの中から、業務時間が明確なものや解決イメージが湧くニーズを3つ選定。それらを開発するための社内調整などを実施しました。ニーズ調査に時間がかかったため、ニーズ調査と並行して検討を進めました。

  6. PoC

    • 選定した3つのニーズに基づき、具体的な改善ツールの開発を進めました。これにより、各ツールの効果や精度、開発工数を評価しました。

  7. 企画化

    • PoCの結果をもとに、2024年3月末までに対応するニーズの選定と対応ニーズ数の目標を設定しました。この工程ではニーズに対する解決策のカテゴライズと集計を行い、効率的に多くのニーズを解決するための計画を立てました。

  8. 大量開発

    • PoCで得られた知見を活かし、より多くのニーズに対応するため、大量開発フェーズに移行しました。追加のメンバーをアサインし、効率よく複数のツール開発を進める体制を整えました。これにより、社内の様々なニーズに応える生成AIツールを開発し、業務の効率化と革新を推進しました。

当プロジェクトでは、簡易PoCを含めた初期段階に約1ヶ月、綿密なニーズ調査に約2ヶ月、そしてPoC対象の選定からPoCの完遂まで2ヶ月を要したので、プロジェクト開始から1つ目のツールリリースまでの期間は5か月となります。

ニーズ調査は長い期間がかかったのですが、ヒアリングを進める中で、スタッフたちの業務への情熱を強く感じました。自分たちの仕事を改善したいという意欲に満ちており、業務改善への前向きで協力的な姿勢がモチベーションになりました。

スタッフ一人ひとりの積極的な関与と協力がプロジェクトを前進させ、期待される成果に向かって確実に進む土台となりました。このような環境は、プロジェクトの成功だけでなく、組織全体のイノベーション文化を育む上でも非常に価値のあるものだったと感じます。

成果とリリースしたツール

PoCおよび企画を完了した後の約4か月間では、「大量開発」フェーズと銘打って数々のツールをリリースしました。「2023年度下期中に各部署からヒアリングした261件のニーズのうち50件を満たす」を目標とし、期末に無事達成できました。これらは様々な部署で利用可能な汎用性の高いツールも含まれており、幅広い業務に貢献しています。
リリースしたツールの中でも特に注目されている4つを紹介します。

  1. 情報システム部門の問い合わせ対応bot

    • 情報システム部門への問い合わせに対して、特定の資料を参照して一次回答を行うbotです。botの回答で質問者の課題が解決できなかった場合には、情報システム部門の担当者へ問い合わせが届く仕組みになっています。

  2. SNS投稿文生成

    • ZOZOで運営するSNSへの投稿文生成ツールです。投稿する媒体などを指定すると、過去の投稿文を参考に文章案を生成します。

  3. IR情報の自動収集&サマリ作成

    • グループ企業や取引先など、指定する企業のIR情報が更新されたら自動で情報を収集し、サマリを作成して送信するというツールです。中長期でのグループ企業間連携の戦略検討や、グループ会社との打ち合わせの前提となる情報を押さえておくのに役立っています。

  4. 売上に関するトピックス作成

    • 週別の売上を管理しているシートを参照し、前週比や前年比などの情報も含めてトピックスを作成するツールです。状況をスピーディに把握することができます。

こうした生成AIの利用は必ず人がチェックをするという運用ルールになっていますが、これらのツールを使用しているスタッフからは、業務の効率化や意思決定の迅速化に寄与しているとの声が多数寄せられています。
例えばグループ会社とのシナジーを検討する部署のメンバーからは、「こんなこともできるんだ!と感激でした。自分で大量の資料を読み込む手間が省けるので、このツールのおかげてスピードアップができそうです。」というような声をもらいました。

こういった利用者の声は、今後の改善と新たなツール開発のモチベーションにもなっています。

プロジェクトを振り返って

生成AIのような新しい技術を業務活用するプロジェクトを進める上では、まずは多くの人に使ってもらえるようにすることが大切だと思います。これを実現する上で、2つのことが大切だと感じました。

1つ目は、数値目標を設定することです。当プロジェクトでは、期末までに50件のニーズを満たすことを目指しました。このアプローチにより、時間をかけて一つひとつのニーズに対応するのではなく、一つのツールで複数のニーズに応えられる汎用性の高いツールの開発を目指すことができました。その結果、多くの部署で生成AIを使っている状態、生成AIという新しい技術に触れている状態を作ることができました。

2つ目は、具体的な課題解決を目的としたツール開発を行ったことです。私たちは、単に生成AIを利用したツールを開発し、各部署に導入するだけではなく、実際に各部署の業務課題をヒアリングし、それらを解決するためのツールを開発するアプローチをとりました。この方法により、開発したツールが使われないという事態を最小限に抑えることができました。

今後の展望

9ヶ月にわたる生成AIの業務活用プロジェクトを通じて、私たちは生成AIに関する貴重な知見を得ることができました。この期間、社会全体でも生成AIの活用が加速し、数多くの実践事例が生まれています。

これらの経験と外部の事例を踏まえ、ZOZOでは業務プロセスのさらなる改善に生成AIを活用していく計画です。しかし、活用はそれだけにとどまりません。ZOZOの多様なプロダクトに生成AIを取り入れ、顧客体験の向上や新しい価値の創出を目指します。

生成AIの持つ可能性を最大限に活かし、業務改善と革新的なプロダクトを提供していくことが次なる目標です。

最後に

最後に、ZOZOのAI R&D推進ブロックについて少し紹介させていただきます。

「はじめに」でお伝えしたように、ZOZOのAI R&D推進ブロックはAIプロダクトの企画とその推進を行うことでZOZOのサービス価値を向上させることをミッションとしています。

そんなAI R&D推進ブロックでは、AI活用経験があり、Webサービスの企画、開発、運営に関する経験がある方を求めています。特に生成AIに興味を持ち、その活用に熱意を持って取り組むことができる方を歓迎します。

これからの本格的なAI社会では、AIを作る専門家だけでなく、AIを使う人材も重要なポジションを担うだろうと言われています。そのような社会において、ビジネスや業務知識に詳しく、かつAIにも精通したAI人材は、AI活用の現場で大いに活躍できるはずです。
今後もZOZOのAI活用を推進し、ファッションをもっと楽しめる体験を作っていきます!

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