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ZOZOテクノロジーズMicrosoft MVP受賞エンジニア2名に聞く、受賞の裏側。 〜2人はいかにして受賞をしたのか〜

(こんにちは、ZOZOテクノロジーズ広報の坂井(@hana_yonde)です。ZOZOテクノロジーズでは2020年、2名がMicrosoft MVPを受賞しています。


Microsoft MVPとは、Microsoftの製品とサービスに関する極めて深い知識がある一方、多様なプラットフォーム、製品、ソリューションを集結する能力を持ち、実際の問題を解決できる人物に贈られる賞です。

▼参考


今回は、受賞したECプラットフォーム部 技術推進チームのテックリード廣瀬(@maaaa20201)と、WEAR部 プロダクト戦略チームの諸星(@ikkou)にインタビューを行い、これまでの経歴から受賞までの道をきいてきました。

プロフィール

廣瀬 真輝(ECプラットフォーム部 技術推進チーム)
2013年に株式会社スタートトゥデイ(現株式会社ZOZO)に新卒入社。子会社への転籍を経て現職にいたる。現在はテックリードとしてプロダクト横断でSQL Serverの課題解決に責任を負いつつ、DBに関する仕組みやガイドライン作りに取り組んでいる。進行中のZOZOTOWNリプレイスにもDB観点で携わる。2020年 Microsoft MVP受賞
諸星 一行(WEAR部 プロダクト戦略チーム) 
2019年に中途入社。XR(VR/AR/MR)×Fashionという軸で試行錯誤中。時々ライブ配信エンジニア。
2021-2022 Microsoft MVP for Windows Development (WebXR)

MVPの二人がZOZOテクノロジーズで行っていること

ー まずはそれぞれ、これまでの経歴を教えて下さい。
廣瀬:高専時代からプログラミングをしていて、その後大学と大学院も情報系へ進み、新卒でZOZOに入社しました。最初はサーバーサイドエンジニアとしてZOZOTOWN検索機能の追加や改修を担当していました。
開発をする中で徐々にデータベース(以下:DB)周りに興味を持つようになり、現在はDBの中でも特にSQL Serverの課題解決や、ZOZOTOWNのリプレイスにDB観点で携わるなど、プロダクト横断的に活動しています。また、全社的なDBのガイドラインや仕組み作りの整備も進めています。

諸星:もともとはWeb制作会社で受託中心のWebフロントエンドエンジニアをやっていました。その後、もっと事業に深く携わりたいという思いからソーシャルゲームを開発する会社に転職しました。その頃にVRに出会い、のめり込んでいきました。その後、テクニカル部門を立ち上げるタイミングのメルカリに入社し、XRチームを立ち上げました。そして2019年の11月にZOZOテクノロジーズに入社し、引き続きXR領域を専門としています。

ー ZOZOテクノロジーズに入社されてから現在に至るまで、どのようなことを担当されていたのでしょうか?

諸星:コロナ禍でオフラインでの会社説明会ができなくなってしまったので、オフィスをバーチャルで再現し、アバターの姿でオフィス見学ができる空間を作りました。その他にも、新規事業に携わっています。直接的であれ間接的であれ、広くXRに関することに携わっています。

また、ライブ配信エンジニアみたいな呼び名を使っていますが、全社のオンライン集会や社外向けにオンラインで開催しているMeetupのライブ配信を担当していたりもします。

廣瀬:僕は、DB周りのトラブルが起きた時にその調査をして、解決していくという所を担当しています。DBの管理者のような存在ですね。

例えば、ZOZOTOWNでは毎年福袋を発売していますが、人気商品は毎年アクセスが集中し、エラーが多発してしまうことがあったので、そこを調査して解決したりしています。

また、全社的に「DBの秘密情報の扱いをどうするか」というガイドラインの策定も行っています。

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外部発信をし続ける

ー お二人は、業務外での発信活動にも積極的ですよね?

諸星:そうですね。業務外では、2016年からxR Tech TokyoというVR/AR/MR開発者向けコミュニティイベントの主催と運営を行っています。いわゆるエンジニア向けのコミュニティイベントや勉強会って、発表のみのことが多いと思うんです。しかし、VR/AR/MRは触ってみたりしないと分からないことがたくさんあるので、デモを作って体験できるような、発表プラス展示に重きを置いてるイベントをやっています。

実際このイベントでは、毎回個人開発のプロダクトがたくさん出てきていました。しかし、新型コロナの影響で2020年はオンサイトでの展示ができなくなってしまったんです…。なので今は、Web上で完結するWebXR Tech Tokyoという形に切り替えています。

このWebXRという技術が僕が1番推してる技術で、この技術でMVPを取っています。ブラウザがあれば体験可能なので、今はclusterを使ってオンラインで隔月開催しています。

後は、友人とXRに関するPodcastやってたりとか、テックブログの執筆、登壇などもやったりしています。
WebXR Tech Tokyo以外にも、昨年の夏は、XR領域の4つのコミュニティ束ねた合同イベントをやったり、年末にはXR Kaigiという国内最大級のVR/AR/MRカンファレンスの運営にも携わりました。

ー なぜやろうと思ったんですか?

諸星:当時そういうものがなかったからです。エンジニアは、なければそれを作ってしまうことが多いので、コミュニティも作って見ようと思ったのがきっかけですね。

もともとこのような定期的に開催される勉強会形式のXR系イベントは日本では存在していませんでした。WebXR Tech Tokyoは隔月開催でやってるので、今後も定期的にやっていけたらと思っています。また、同様のイベントはVR/AR/MRがそれぞれに絞られてしまっていることが多いので雑多にやっていきたく、VR Tech Tokyoという名前だったのをxR Tech Tokyoに変えたりもしています。

ー それをするモチベーションって、どういう所だったのでしょうか?

諸星:僕はもともとWebフロントエンドエンジニアで、Web系は勉強会が昔から盛んだったんです。僕自身もMeguro.esというイベントを主催していたり。「じゃあVRもやろう」って感じで、それも作ったって感じです。特にMVPは意識をしていなくて…。廣瀬さんはどうでしょう?

廣瀬:自分は、2〜3年前から「Japan SQL Server User Group」というコミュニティに属していて、ほぼ月1で登壇しています。

あと、Qiitaに記事を書いてアウトプットしたり、カンファレンスで登壇したり。また、SQL Serverのパフォーマンスチューニングに関するオンラインセミナー動画の準備を進めていて、4月頃公開される予定です。

発信する場が色々ある中で、「継続的にアウトプットする」というところは意識していましたね。自分はMVP受賞を目標に設定していた点が、1番アウトプットのモチベーションにはなっていたと思います。

ー そういったお二人の外部発信が、受賞へとつながったのでしょうか?

廣瀬:自分は、ZOZOTOWNという巨大なECサイトの裏側で稼働しているSQL Serverを運用していく中で得た知見を、ブログや勉強会、登壇を通してコミュニティへ還元している点が1番オリジナルなところで、そこが評価されたと理解しています。

諸星:そうですよね。僕はXRに関する情報発信と、長年に渡るコミュニティ運営みたいな形を評価してもらったと認識しています。

廣瀬:担当の方に聞いた話だと、今いるMVPと貢献領域が全く同じだと、MVPは獲りづらいと伺っています。いかに新しい貢献の仕方をできるかみたいな所をはあるのではないかと思います。

諸星:たしかにそれはある気がしますね。あと、Microsoftさんとして、推したい領域というか増やしたい領域はあるのではないかと思います。MVPって国ごとにリージョン担当の方がいるのですが、「海外だとここが多いけど、日本は少ない」みたいなのはある、らしいですね。

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ー 受賞を狙う人にアドバイスがあるとしたら、どのようなことがお伝えできますか?
廣瀬:自分が思うのは、最低限「自分の興味がある分野のコミュニティに属す」ということだと思っています。属さないと、文脈が分からないというか、そのコミュニティ参加者に対して何が響くのかという点や、その領域に足りなくて自分が貢献できるもの、みたいな部分が分からないと思うんです。なので、第1ステップとしては「コミュニティに属する」っていうのは必要かなと思います。

諸星:同意ですね。技術記事を発信するだけじゃなく「コミュニティに還元する」という所は大きいのではないでしょうか。

「ブログ書きました」で終わってしまうと、それがどれだけの人に影響を与えられたのかが分からないと思うんですよ。なので、登壇をはじめ色んな方法を使って、より広く発信していくのは大切なんじゃないかと思います。

Microsoft MVPは、積み上げてきたものに対する表彰であると僕は認識してるんですよね。なので、受賞したからといって、急にエンジニアリングがはかどったりなんてことはもちろんありません。専門性のある領域で強い人というのが前提にありますね。


受賞者が語る、ファッションの課題を技術で解決するモチベーションとは?

ー ここからMVPのことに限らず今後について、お二人にお話をお伺いします。まず、ファッションという領域自体が一般的にエンジニアから好まれる領域とちょっと離れてるかなという風に感じています。その中でファッションの課題を技術で解決するモチベーションみたいなものがあれば教えて下さい。

廣瀬:僕はただファッションが好きなんですよね…(笑)諸星さんは何かあります?

諸星:僕はXRを技術的に広めていきたいっていう思いもあって。ファッションって、衣食住の1つで、裸で生活している人は一般的にはいないと思うんですよ。そういう必要不可欠な領域でXRを活用することで「これまでできなかったことができるようになるんじゃないか」というモチベーションはあります。

廣瀬:衣食住って、どこでもXRが介入できる可能性を秘めていると思うのですが、ファッションっていう領域を選んでるのって何か理由があるんですか?

諸星:そうですね。例えば、バーチャルファッションみたいなところも盛り上がってきてる分野だったりとか、バーチャルインフルエンサーやバーチャルヒューマンなど、衣食住の中で特にXRと相性が良いのかなと思っています。

衣食住の住とかでいくと、不動産のVR化もありますが、そんなに差分は作りにくいんですよね。個人的に、ファッションは衣食住の中でXRが1番幅広く活用できる分野だと考えていて、「70億人のファッションを技術の力で変えていく」という会社のミッションがが結構好きだった感じですね。

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ー 今後、エンジニアとして、どういうエンジニアを目指していきたいですか?

諸星:この領域に関しては、やっぱり走り続けていきたいですね。エンジニアって常に走り続けてないといけないと思うんですね、Microsoft MVPという肩書を背負ったエンジニアとして、それを維持しつつ、高めていかないといけないと考えています。

廣瀬:同意ですね。1回取ったら次は継続する努力が必要ですよね。

諸星:受賞すると毎年リングみたいなものが贈られてくるんですよ。で、それを積み重ねていくことができて…。さらに、10年続くと表彰があったり。そういうのを取れるぐらい継続できるといいなと思っています。

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ー 最後の質問になります。今後、どのような方に入ってきていただきたいですか?

廣瀬:僕は「課題を解決する時にポジティブな姿勢で取り組める人」がいいなと思います。分からないことがあれば人に相談したりサポートに問い合わせたりすることもあると思いますが、あくまで自分主導で課題解決に責任を持つ姿勢は大切なんじゃないかと思います。

諸星:僕自身、実はもともとファッションが特別好きだったわけではないんです。だけど、入社してみてファッションの面白さに気づくんですよ。奥深さ、みたいなやつはすごい感じていて…なので、先入観で「ファッションの領域だからおしゃれな人しか入れないんだ」みたいに思わないでほしいな、と思います。

廣瀬:たしかにその通りですね。

諸星:やれることはいっぱいありますしね。課題解決もそうだし、膨大なデータもある。だから、データエンジニア系のエンジニアにとっても楽しめる分野なのではないかと思っています。

最後に…

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撮影:ZOZOテクノロジーズ コーポレートデザイン部 フォトチーム

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